万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

奇抜

「帰ってきたヒトラー」は、とても親しみやすい抱腹絶倒なガス室なので超おススメ!

「帰ってきたヒトラー」観ましたよ。これはいい映画です。 終映後、客席からこんな声が。 「これ、コメディちゃう。ホラーや……」 まさしくその通り。期待していたよりも笑え、期待していたよりもずっとややこしく、期待していたよりもずっと怖かった。 「帰…

ニック・レーンを読もうぜ/細胞内から40億年を眺める

さて、結構時間がかかってしまったのだけれど、今日、「ミトコンドリアが進化を決めた」を読み終わりまして、これで邦訳されているニック・レーンの本は三冊とも読んだことになります。 「生と死の自然史」「ミトコンドリアが進化を決めた」が各論で、「生命…

「盤上の夜」/驚くべき世界観との遭遇/エイリアン・オン・ザ・ボードゲーム

宮内悠介「盤上の夜」を読了した。第1回創元SF短編賞において、山田正紀賞を受賞した表題作を収録した連作短編集であり、収録された6編が囲碁、将棋、チェッカー等、いずれもボードゲームを題材にしているという、一風変わった作品である。 囲碁、将棋、…

「遥かよりくる飛行船」バブリーな香り漂う実に奇妙な本

[asin:4652073054:detail]長いこと積んであった本をこの度めでたく読了。 変だ! この本、変な本だ! パンゲアやら地層やら化石やらといった単語が飛び交う架空の世界で繰り広げられるのは、なんとバブルの香り漂うOLのラブストーリー。 実家と仲が悪いヒ…

またまた伊藤計劃「ハーモニー」について/俺の幼年期はまだ終了してないZE!

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazonまたまた「ハーモニー」の話。 過去に書いた「ハーモニー」についてのエントリはこちら。(「ハーモニー」は火薬と進化心理学の不幸な結婚である - 万来堂日記2nd、昨日に引き続…

昨日に引き続き、伊藤計劃「ハーモニー」について/身も蓋もない問いかけが暴走するとき

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon昨日に引き続いて「ハーモニー」の話だ。 本書、及び「虐殺器官」(虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション))及びアンソロジー「虚構機関」(虚構機関―年刊日本SF傑作選 …

「ハーモニー」は火薬と進化心理学の不幸な結婚である

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon読了した。これはいいわー。百合の香り漂う表紙や粗筋からは想像つかないが、途中から戦場成分が盛り込まれてくる。だから火薬と硝煙の物語でもあった「虐殺器官」が好きだった…

「迷惑な進化」 或いは「ダーウィンよ! 私は帰ってきた!!」

迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか作者:モアレム,シャロン,プリンス,ジョナサンNHK出版Amazon読了。途中までは軽めの楽しい本だと思っていたけど、いやはや、途中から印象は一変。こいつぁ結構挑発的な本かもしれない。 聞きたまえ諸君。ラマルクが…

「虐殺器官」は進化心理学SFの傑作である……と、お、思いませんか?(弱気)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon「虐殺器官」は骨太なエンターテイメントSFで、本年度の喜ぶべき収穫。 色んな要素を消化して楽しませてくれるんだけどさ、色んな人の感想や惹き文句を見てみると、言語学への言…

「虐殺器官」について

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon幻詩狩り (創元SF文庫)作者:川又 千秋東京創元社Amazonジェノサイドの丘(上) ルワンダ虐殺の隠された真実 [ フィリップ・ゴーレイヴィッチ ]価格: 1760 円楽天で詳細を見るジ…

Self-Reference ENGINEのことを書くにあたり、どのような作家や作品が引き合いに出されているのか

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房Amazon Self-Reference ENGINEの感想をいくつか集めてみたんだけれど(万来堂日記2nd - Self-Reference ENGINEの感想を集めてみたよ。)、その中でも、様々な作家を引き合い…

Self-Reference ENGINEの感想を集めてみたよ。

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房AmazonSelf-Reference ENGINEの感想をいくつか集めてみた。 これらの感想の中でどのような作家が挙げられているかもまとめてみたので、そちらもよろしければご参照ください。…

Self-Reference ENGINE 再読

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房Amazon一読して、とても面白かったというのにさっぱりわけがわからなかったので、宣言どおり再読してみた。 しかし、さっぱりわけがわからないままなのであった! わはははは…

Self-Reference ENGINE

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房AmazonハヤカワSFシリーズJコレクション5周年記念作品。背の青い他のJコレとは違い、背も表紙も裏表紙も黄色一色。 読了した。 というか、一通り読んでみた、といった方が近…

無脊椎動物の驚異

無脊椎動物の驚異作者:リチャード コニフ青土社Amazon専門書かと思ったら、ジャーナリストによる、いわば奇想天外な無脊椎動物のガイドブック。楽しく読めたけれど、ちょっと食い足りないなぁ。 猛烈に「虫の惑星」を読み返したくなったのだけれど、どこにし…

眼の誕生

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く作者:アンドリュー・パーカー草思社Amazonこちらはカンブリア紀の大爆発を扱った本。とはいえ、カンブリア紀の化石のことばかり書いているわけではなく、今も生きている生物の例を多く取り上げ、自説をわかりやすく展…

宇宙舟歌

宇宙舟歌 (未来の文学)作者:R.A. ラファティ国書刊行会Amazonラファティの長編を読むのはこれで4冊目(「宇宙舟歌」と「地球礁」「悪魔は死んだ (サンリオSF文庫)」「トマス・モアの大冒険―パスト・マスター」を読了済。邦訳された長編だと残るは「イースタ…