万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

ウロボロス的皮算用

あの高橋健太郎氏のBlogで、非常に興味深いことが書かれている。
詳細は読んでいただくとして、簡単にまとめると

・まず三菱総研が、輸入権を法律で定めることを前提にした上で、今後アジアでの日本CDの史上は拡大するだろう、と予測。

・その三菱総研の予測を踏まえて、株式会社文化科学研究所(しつこいようだが、民間会社で前身は「ぴあ」)は、今後還流CDは増えるだろうと予測。

まずこの時点でおかしい。
三菱総研の予測に乗っかっている時点で、還流CDは存在し得ない
三菱総研が予測の前提としている輸入権、まさにそれによって、還流CDの輸入が違法なものとなるからだ。
株式会社文化科学研究所は、還流CDが存在し得ない市場を想定した上で、還流CDが増えるだろうと予測している
なんのこっちゃ?
なにはともあれ、この調査結果を受けて、っつーか鵜呑みにして、文科庁は

・還流CDが増えると、日本の音楽産業に悪影響が出るから、それを防止する目的で著作権法を改正しよう。

と言い出したわけだ。
これをミックスすると

輸入権を認めることでアジアにおける日本のCD市場は拡大し、その結果、還流CDは日本に入ってこなくなりますが、アジアにおける市場拡大の結果、還流CDがよりたくさん日本に入ってくることが予測されますので、還流CD阻止のために輸入権を認めなければならないのです。


すまん。誰か、まともな日本語に翻訳してくれ。
Aを前提とした結果、問題Bが解消し、利点Cが得られるが、利点Cの弊害として、問題Bが発生するので、Aを法律で規定しなければならない。
結論が前提にかみついとる。尻尾くわえた蛇じゃねえんだから。

しかし、こうやってみると、還流CDの阻止なんてのは実は体の良い隠れ蓑なんだなというのがよくわかる。
普段洋楽を聴くことが多いので、輸入盤締め出しによる国内市場の独占が狙いだとばかり思っていたが、それも違ったようだ。
要するに、レコード協会は、アジア市場を拡大させるために、輸入権が欲しかったのだ。
還流CDはそのための方便。
さらに、輸入盤の規制は、その副作用だ。
レコード会社がアジアに行きたいがため、日本のリスナーをないがしろにするというわけだ。
国内レコード会社が日本の市場を見捨てるのが早いか、日本の音楽ファンが国内レコード会社を見捨てるのが早いか。
後者に100円賭けよう。
いや、今、貧乏だからさ。

追記:この記事に飛んできてくださる方が多くて、それはとてもありがたいことなのですが、この記事を書いてから、三菱総研の報告書と(株)文化科学研究所の報告書を読みまして、現在では若干、考え方が変わっています。
私の今の考えを簡単にまとめると

三菱総研の報告書:
「ほら、今後アジアにおける日本の音楽市場って、こんなに増えるんですよ〜。おまけに、レコード輸入権を作ったら、レコード会社は積極的にアジアに進出したいって言ってるっすよ〜」

文化科学研究所の報告書:
「旦那、今でも68万枚、アジアから安い逆輸入があるんですぜ。しかも、三菱総研が言うように今後はアジアの日本音楽市場増えますから(←決定事項)、なんかもう凄い勢いで逆輸入がきちゃうんすよ」

レコード業界:
「つーわけで、この資料のとおり、還流CDが凄いことになっちゃうんで、レコード輸入権認めてくださいよ。それに、うちはそうしてもらった方が都合がいいこともあるし」

文化庁
「そーねー。なんか資料もあるみたいだし、出世もしたいし、やってみよう」

ってな感じではないかと。
それぞれの報告書の信頼性は、非常に怪しいと思いますが。
よろしければ、個々の報告書を読んでみたコチラコチラ、それにコチラもあわせて読んでいただけると幸いです。