万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

やっほう! 三菱総研の報告書(詳細版)を読んでみたよ!

昨日、高橋健太郎氏のBlogにて公開されている三菱総研の報告書(要約版)と、株式会社文化科学研究所(前身はぴあ)の報告書を読んで、その感想を書きました。
ところがですね、今日見てみたら、高橋氏のBlogにて新たに三菱総研の報告書(詳細版)が公開されていたのですよ。
これは、読んでみない手はないでしょう。昨日感じた疑問点が氷解するかもしれないし。読んでみましょう。いやっほう!

三菱総研の報告書(詳細版)
タイトルは「アジアにおける日本音楽ソフトの需要予測」

海賊盤が減少していくであろうという予測はなされているが、その減少割合についての根拠は示されていない。

・また先日の書き込みで「この報告書では、日本の音楽ソフトが現地市場に占める割合は、台湾ではふた桁に「達している」という表現をなされている。「達している」という表現からは、増加してふた桁という現在の数値になったのだという連想がなされるが、その連想を裏付けるためには、ここ数年の市場状況を併記する必要がある。
 残念ながら、この要約版にはそのデータは示されていない、完全版では示されているに違いない」と書いたが、この詳細版にはデータが示されている。さすが、三菱総研。
 で、データを見てみたが、伸びているのは台湾とシンガポールだけじゃねえかこの野郎
 ミスリードを誘うように「達している」という表記にしたと思われても仕方ないぞ。



・アジアのGDP内に閉める音楽ソフト購入の比率が今後上昇していくことを、アジアにおける日本音楽ソフト需要が伸びていくことの大きな根拠のひとつとしているが、その根拠が示されていない。
 この報告書は、アジアにおけるGDP全体が伸びているので、音楽ソフト全体の需要が伸び、それに伴い日本の音楽ソフト需要も延びていくだろうということに過ぎない
 しかしながら、本報告書に示されたデータを見ると2001年こそ各国のGDPは伸び悩んでいるものの、その他の年度については、試算に用いられた予測数値並みの成長率を残している。
 一方、ここ数年、アジア諸国のGDPは伸びているにもかかわらず、日本の音楽ソフト・及び音楽ソフト全体の需要がここ3年暫減傾向にあるという事実があるわけだ。
 つまり、この報告書は「ここ数年、GDPが伸びているにもかかわらず音楽ソフト需要は減っています。でも、今後はGDPの伸びに伴って音楽ソフト需要は伸びますよ」といっているのだ
 そのためには、GDPが伸びているにもかかわらず音楽ソフト需要が減っている、その原因の分析が必要である。
 または、ここ数年の暫減傾向を覆すような、新たな需要拡大要因を根拠を持って示す必要がある。
 残念ながら、この報告書では、いずれも示されていない。先に述べたように、「今後、アジアではGDP内に占める音楽ソフト購入の比率が増加するだろう」という「主張」は、根拠をもって示されてはおらず、現時点では説得力を持ち得ない


と、以上の点を持って、この報告書に示された「今後、アジアにおける日本音楽ソフトの需要はこの数値まで拡大する」という予測は、至って根拠が薄いものと判断する。


・また、最後の章で、レコード輸入権が創設されたら、レコード会社がアジアに積極的に参入していく意志を示すことで、レコード輸入権が設立されれば、アジアにおける日本の音楽ソフト需要が拡大するとしている。この見通し自体には特に異議はない。
 しかし、気をつけなければいけない。レコード輸入権創設によって、日本の音楽ソフト需要が拡大するというのはあくまで「見通し」であって、なんら、数値的な予測が示されたものではない。レコード輸入権創設が創設されることで、この報告書に示された規模にまで需要が拡大するということを示したものではない。
 つまり、レコード輸入権創設による需要の増加は、この報告書とは別に検討されねばならないのだ。
 報告書で検討していない、単なる「見通し」を併記することは、報告書の体裁としてはいかがなものであろうか? ミスリードを誘うものとかんぐられても仕方ないぞ。


と、こんなところでしょうか。
上記、高橋氏のBlogでも、新たにこの詳細版について精査されているので、ぜひお読みください。

追記
この文章を書き終わった後で、こちらのサイトさんで、より詳細に報告書を読み解いているのを見つけました。こちらも併せてお読みください。
しかし、いずれにせよ「おいおい」的な感じは否めませんね。お手盛り調査的というか(笑)