万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

神は見えざる手を動かし、公取委が戦闘態勢に入り、音楽配信は水面下で蠢く

既に各所で報じられておりますが、私が知ったのはThe Trembling oa a Leafさん経由でした。
公正取引委員会が再び、レコード会社へ立ち入り検査を実施、立ち入り検査を受けた企業は20に及びます。
先日の立ち入り検査はポーズではなかったということを示す出来事ですね。公取委、かなり本気のようです。


公取委が崇め奉るはただひとつ、市場原理のみなり。


公取委が再販制を目の敵にしているのはなぜか?
様々な理由があるのでしょうが、再販制が市場原理に真っ向から反するものであるというのも、大きな理由のひとつでしょう。
では、レコードや書籍が市場原理の外に置かれてはならないとする理由は何か?
それは、レコード(CD)にせよ、書籍にせよ、実はとっくの昔に市場原理の下に動いているからではないでしょうか。

市場原理に基づいたマーケティングを行い(まあ、そのマーケティングが当たっているかはまた別の話です)、大ヒットを狙った商品戦略をすることで、利益を生み出してきました。
(全ての、ではありませんが)多くのレコード会社、出版社が市場原理に乗っかり、生きてきたのです。
市場原理をいいとこ取りすることは不可能です。当然、市場原理から影響を受けます。
しかし、再販制によって価格競争は生じえません。では、どこに影響があったのか?


様々な影響があったでしょう。それが一番強く働いたのは、レコード会社に対してではありません。小売店に対してです。
レコード会社や出版社が建前で何を言おうが、書籍やレコードをどんどん消費されるべきものとして売り出してしまった以上、それを扱う小売店の間で競争が必然的に生じます。
各店とも、価格以外の面で凌ぎを削ってきました。それでうまくいっていた時代もあったのでしょう。
では、現在もうまくいっているのか。
答えは必ずしもイエスではありません。多くのレコード店、書店が姿を消していきましたし(それらの店の多くが、それまで地域のファンに応えてきた、欠かす事の出来ない存在であったでしょう)、それではとポイントカードによる値引きを導入しようとした書店が、様々な妨害を受けたらしい、というのも、漏れ伝わってくるところです。
かつては再販制が小売店をも保護している時代もあったのでしょう。しかし、現在ではむしろ逆になっているのではないかと見ます。
再販制によって、小売店は「価格での競争」という選択肢を奪われているのです。
どうも、ここで不公平というか、不釣合いというか、フェアではないような印象を、私などは受けてしまいます。市場原理からの影響のかかりかたが、小売とレコード会社・出版社では差がありはしないか。それが、著作物市場の構造的な齟齬、構造的な問題に繋がっているのではないか。そんな印象を受けるのです。
ぞんざいに言うと、小売店だけ損してるんじゃねえか? おまえらはどうなんだ? と。


さあ、ここにきて公取委が戦闘態勢に入りました。目的はおそらく、音楽配信事業に競争原理を導入すること。
競争原理、市場原理が不自然に働いた結果、需要がなくなってしまったわけでもないのに潰れかけている奇妙な業界を、私たちは少なくとも二つほど知っています。音楽業界と出版界のことですが。
今後、音楽流通の主流になるとも予想されている音楽配信も同様の末路を辿るか否か、その分水嶺ともなる重要な出来事だといえるでしょう。


と、高橋健太郎氏が自らのBlogでこんな発言


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でもって、再び、軽い情報リークをしていまいますが、日本での音楽配信については夏の終わりに、インパクト絶大なニュースが飛び交うでしょう。ムフフ。
ITMSの日本進出を首を長くして待たなくたっていいんです。そりゃあ、スティーヴン・ジョブスは天才だけれどね、でもね、アップルもまだやってないことを僕達が日本でやれるかもしれない。やりましょうよ、日本の音楽界発で、世界に先駆けて。この指とまれ、だ。
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詳細は不明ですが、何か起こりそうです。
個人的には、CDに未練たらたらですので、配信関係のニュースはこれまであえて取り上げてこなかったのですが、これに関しては、詳細が明らかになった際にも取り上げることになるでしょう。
そして、この新たな動きが、どのような考えの下に出てきたものなのか、考えてみることになるかもしれません。