万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

六本木+ヴィレッジヴァンガード=?

以前、青山ブックセンターがその営業を停止し、それを一部の人たちが出版文化の衰退であるかのごとく大騒ぎしているのをみて、それに対して大いに文句を言ったことがあるんですが。
で、非常に特殊な市場であるところの「都心」を過大に重要視する傾向にも、大いに文句を言ったわけなんですが。
そこにこんなニュースです。ソースは昨日の日経新聞。ネット上では見つけられなかったんですけれども。
ヴィレッジヴァンガードの六本木ヒルズ店が撤退するとの事です。
この不況にもかかわらず、消費者の支持を集め、成長している書店も中にはあるわけで、ご存知の通り、ヴィレッジヴァンガードはそんな企業の1つですね。
既存店だけ見ても昨年より成長しているというのですから、本物の証です。六本木ヒルズの店も、昨年比で見ると5%伸ばしてはいるそうで(まあ、5%って、物足りない数字ではあるでしょうが)。
にもかかわらず撤退、です。
記事では、主な原因としてふたつを挙げていました。
ひとつは利用者の年齢が他店に比べ高かったことにより、いわゆる「ついで買い」が少なかったこと。
もうひとつは運営コスト高。
しかしですね、ヴィレッジヴァンガードは確かに若者から支持されている店だとは思うんですが、その品揃えを見てみると、ジャズのCDは置いてあるは、英米文学のマニアックなところは置いてあるは、美術書やら写真集やら、むしろ若者ではないところに対応した商品が多く置いてあるわけです。
品揃えや商品展開面で六本木のお客さんに対応した売場作りができなかった、ということはあるのでしょうが、その原因を「ついで買いの不足」のみに求めるわけにもいかないでしょうね。まあ、ヴィレッジヴァンガードの中の人は、そんなことは100も承知だと思うんですが。
要は、コスト高、及び何らかの要因でもって、利益が思ったほど出なかったってことなんでしょう。


で、あっさりと店をたたむことにした、と。
これが英断であると思うんですよ。
出店する意図からして、売上のみを狙ったものではなかったでしょう。その企業のブランドイメージを高める、フラッグシップ店としての役割を担っていたはずです。社内でどういった位置づけになっていたのかはわかりませんが、会社によっては社運をかけたプロジェクトとして扱われていてもおかしくありません。
それを、あっさりとたたんでしまった。わかってはいても、なかなかできることではありませんよ、これは。
結果的に旧来の形態にしがみつくことになり、営業を停止した青山ブックセンターとはまさに好対照です。

ヴィレッジヴァンガードも撤退かあ。まだまだ不景気なんだなあ……」では済ませて欲しくないニュースですね、これは。