万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

面白く読ませてもらったので更に考えてみる

レンタルコミックって新古書店の競合になるんだなあというのが新鮮に感じられたので先日それについてのエントリを書いたのだけれど、こんなTBをいただいた。
再帰する日常日記2.0:万人はそんなに貧乏ではないとも思う
こういう返しが来るとは思っていなかったので、とても面白く読ませていただきました。そうかあ、なるほど。調子に乗って危機やらピンチやらヤバイやらボーナスやら連発しすぎたか。難しいねえ(笑)。
面白いので、新刊書店・新古書店・レンタルコミックのそれぞれのアドバンテージを考えてみると、こんな感じになるのかな。

新刊書店

  • 提案型の売場が作りやすい。言い換えると、コーナーが作りやすい。今はこれが流行っているから関連書籍を集めて展開してみようとか、普通とはちょっと違ったこんな視点から本を集めてみようとか。これは、棚に並べるラインナップを買取に依存している新古書店ではずっと難しい芸当なのよ。レンタルコミックではある程度可能だとは思うけれど、ある種の困難が付きまとうと思う。これについては後述(ただし、レンタルコミックのことは良く知らないからほとんどが推測になることをお断りしておきます)。
  • 今旬の本を確保することが出来る。これはベストセラーやコミックの最新刊といったものだけではなく、刊行ペースの速い雑誌、また最新版の地図や受験ガイド、旅行ガイドといった、時期的なものが関連する実用書も含む。最新版の物を手元に置いて利用することを前提としている類の実用書(地図なんかまさにそうだな)は、レンタルで済まそうという需要はあまりないだろうし、新古書店では確保がそもそも出来ない(大体みんな要らなくなってから=情報が古くなってから買い取りに持ってくるしね)。

また、コミックやシリーズ物の小説の巻抜けを防ぐことが出来るってのも、新古書店やレンタルコミックにたいする強みですわな。

  • 本がキレイ。いや、案外重要なのよ? おそらく一番本が傷みやすいのはレンタルコミック。

 てな感じで、新刊書店には、欲しい本を新鮮な状態で確保して販売することが出来るという、在庫入手の点での優位さがある。実際、この強みを活かしている本屋って見てて楽しいよね。


次、新古書店。手短に行こう

  • 新刊書店に比べて価格が安い。バラ売りの場合でもそうなんだけど、コミックのまとめ買いの場合、やっぱしちょっとした価格差でも強いですよ。なかなか全巻そろわないけど(笑)。
  • 絶版になっている書籍、またはなかなか新刊書店では並べていない書籍を扱うことが出来る。

例えばの話だけど、「焼きたてジャぱん」だけじゃなくて「ウインドミル」も「ヒナに胸キュン」も置いてあるわけですよ(笑)。レアなアイテムとまでは行かないけれど、新刊書店ではなかなか置いていないような本をいかに売っていくかが腕の見せ所。
レンタルコミックでもそういったコミックを導入すること自体は可能だけれど、それをどうやって確保するかといったときに、やはり古本屋や新古書店からになるだろう(または古紙回収業者から引き取らせてもらうか、高くつくけどオークションで買うか(笑))。つまり、新古書店に比べると在庫の確保は難しいことになる。でもここら辺、貸与権も絡んでくるわな(貸与権については、ここでは深入りしません)。

  • 買取という、ある意味キャッシュバック的なシステムを持っている。
  • 本を実際に自分のものとして入手することが出来る(これは新刊書店も同様。当たり前のことではあるけれど、レンタルコミックに対するアドバンテージと考えることが出来ると思う)

 言ってみれば新古書店というのは、従来あった古書店が持つ強みの中の安さの部分を拡大したようなものだから、価格というのは重要な要素となる。しかしながら完全に安さのみに特化しているわけでもなく、「入手しにくい本を売る」という部分も薄めた形で保持しているのね。ちょっと逆説的かもしれないけれど、その部分を強化すること無しでは新古書店同士の競争で生き残ることは出来ないし。


最後はレンタルコミック。再度お断りしておくと、レンタルコミック店に勤めたことがあるわけでも知り合いが勤めているわけでも取材したわけでもないので、推測になります。「いや、違うんだよ!」というご指摘がありましたら、是非。

  • なんつっても安い。
  • 本を自分のものにしないで済む。たまっちゃって困っている人も多いでしょ? 「ちょっと興味あるなあ」程度の本だったら、部屋のオブジェにせずに読んですぐ返すっていう選択もありでしょう。
  • ある程度、入手しにくい本も扱うことが出来る。おそらくこれは年月を重ねるほどに強くなっていくはず。あれだ、とっくに絶版になったマンガがマンガ喫茶にならんでいるっていう経験あるでしょ? 普通に仕入れた本のなかにも、絶版になるものもあるだろう。また、古書店・新古書店等から入手したり。
  • ある程度提案型の売場を構築することが出来る。ただし、売れば在庫がなくなるわけじゃないので、コーナー展開した後の余剰在庫の処理が問題となる。はてさて、レンタル落ち商品の市場がこれから開拓されますや否や。これからの成長次第でしょうね。

発売したばかりの本をたくさんそろえて、さて、その後どうしよう? ってケースも。しかしこれはそれこそ、レンタルビデオ屋さんがノウハウを持っているだろうな(だからこそレンタルビデオの人が書籍の貸与権の交渉にも噛んでいる、ってことなのかね)。



なーんか長々と書いちゃったなあ。まとめてみよう。
売場を思い通りに出来る度、提案できる度、MD活かせる度では
新刊書店>レンタル>新古書店

潜在的に扱うことできる書籍の豊富度では
新古書店>レンタル>新刊書店

価格の安さでは
レンタル>新古書店>新刊書店

そして不等号ではあらわせない要素が、本を自分の物と出来るか否か。この点でお店の使い分けが進む可能性だってあるわけで、確かに安さが売りとはいえ(そして私自身もそれをこないだ強調したとはいえ←これはちょっと反省)、レンタルコミックを「貧困層に向けた商売」というのは早計に過ぎるかな、と。
これからレンタルコミックがもっと普及していくかどうかは不透明な部分が多いので断言できないけれど、もし普及した場合には、安いだけではない+αの要素で強みを持った店が成功するであろうことは想像に難くないですな。
で、近くにレンタルコミックが出来てしまったウチとしては、レンタルコミックにはない要素、上に挙げた例で行くと在庫のバラエティをより豊富にしていくことで、対抗していくわけですわ(他にも、本以外を強化して集客力を上げるとかあるけどね)。使い分けしやすいような状況を作っていく作業と言えるかもしれないね。

ちょっとずれるけれども、「安価で場所をとらない」となるとマンガ喫茶もそうだな。レンタルコミックの強敵って、マンガ喫茶なのかも。