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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

元ちとせのアルバム「ハナダイロ」収録の楽曲「羊のドリー」と「恐竜の描き方」における、ちょっとしたフレーズと科学に対するイメージ

音楽 日常

仕事が忙しくすっかり放置していたこの日記ですが、ゴールデンウィーク直後に転勤しまして。職場が変わり(今のところ)少々時間が取れそうなので復帰しようかなと。いや、いつ忙しくなるかわからないんで、また放置するかもしれないんですが。

職場でサンプル盤聞いているうちに気になってしまいまして、元ちとせのハナダイロ買ったんですよ。

ハナダイロ (初回生産限定盤)(DVD付)

ハナダイロ (初回生産限定盤)(DVD付)


いや、私は通常盤買ったんですけど、そしたらアマゾンのレビューを読むに初回版限定のボーナストラックがえらく評判良くて、ちょっと悔しかったりするのですが、それはまた別の話。
まだ聞き込んでいないんでアルバム全体をどう評価するかとか、そんな話と違う話なんですけども、歌詞の中のちょっとしたフレーズで引っかかってしまった部分がありまして、最初聞いたときにはどうも入り込めなかったんですな。
どの部分かといいますと、1曲目の「羊のドリー」。おなじみクローン羊のドリーを題材にとった曲なんですが。ちょっと引用しますと

Dolly the sheep,a cloned animal
6歳のときに 生まれた
生まれた時から大人
ママと同じ まいた髪

もちろん、クローン羊だって最初から大きいわけではないので、生まれたときは赤ちゃんです。さらにもうちょっと引用しますと。

柵を越えて
陽のあたる どこにでもある世界に
いつか たどり着く事が出来ますように
ドリー でもあと何度生まれ変わったなら
Dolly the sheep そこに行ける?

もちろん、ドリーのクローンを作ったところで、記憶が継承されるわけでもないので、生まれ変りというわけでもないでしょう。ドリーのクローンはまたドリーとは別の個性を持った羊になるはずです。

いや、こんなこと些細なことだとは思うんですよ。手の込んだ隠喩なのかもしれんし。
でも、引用した部分に、クローンに関するありふれた誤解(クローンは記憶から個性から何から全く同じ固体を作り出すとか、ある人がクローンに取って代わられてしまうのではないかとか、そんな映画もありましたな)を読み取ることは(作者の意図とは無関係に)非常に簡単、危険すぎるくらい簡単なわけで。


もう一曲、「恐竜の描き方」という曲にも『ケモノにも鳥にもなれなかったあなた』なんてフレーズがあったりしまして。いや、「哺乳類や鳥類は恐竜よりも優れている」とか「進化は常によりよい方向へ進んでいく」ってな、ちょっと誤った進化についての認識がまた読み取れてしまうわけですよ。恐竜は当時の哺乳類や鳥類を上回る繁栄を誇っていただろうし、爬虫類から鳥類や哺乳類への進化が必然的に起こったわけでもないだろうに。


いや、気にならない人は気にならないだろうし、こんな些細なところに目くじら立てることもないだろうといわれたら、確かにそうかもしれないんですが。
よくあるありふれた科学に関する誤解が、多くの人に影響を与えるであろう音楽という形で人口に膾炙していく様を目撃してしまうとですね、なんかこう、くらーい気分になっちゃうんですな。
優れた入門書・啓蒙書もたくさん世に出ている分野でも、やっぱりそういった誤解はなくならず、再生産されていってしまうのかなあ、なんてね。