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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

されど罪人は竜と踊る

書籍 悪徳 ライトノベル ファンタジー ハードボイルド

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)


読了。本を購入する量に読書量が追いつかなくなって既に10年以上。実家の物置は私の未読本で溢れかえり、このアパートにもCDと本あわせてダンボール30箱以上ある。必然的に興味はあるので買ってはいるが読んではいないという積読が増える。そんなわけでライトノベルにも興味はあるがあまり読んでいない(ブギーポップキノの旅半分の月がのぼる空涼宮ハルヒしにがみのバラッドも、持ってはいるけどほとんどが未読だ)。それなのになぜかこのシリーズだけは全部読んでいる。
変則的な剣戟小説の魅力と、軽ハードボイルドの魅力が、私をこの小説のファンにしている。剣と魔法満載だけれど、よいSFミステリを読んだような気分になってしまうのは、年寄りの悪い癖ですかね、はい。別に無理から「SF」という言葉を用いなくてもよいわな(笑)
主人公が大きなごたごたに巻き込まれ、ラストでその背後に潜んでいた陰謀の構図が明らかになるっていう話が多いのも、驚くほどハードボイルドやミステリの作法に忠実であるように感じる。
んでもって、シリーズが進むにつれて物語は追憶と郷愁の度を増していているのだけれど(ここらもハードボイルド的っちゃあそうか)、今作にいたっては追憶と郷愁の塊だよなあ。
一応は国際的な陰謀を大きな謎として設定していた本シリーズなのだけれど、主人公ガユスがいかに過去と向き合うかというのがもう一つの大きなテーマとして肥大化してきていたわけで、問題となっている過去そのものを書くというのは合点がいく。
短編集という形を取ったのも、主人公のフィルターを通した、素晴らしい日々の記憶のモザイクを読んでいるような感じがして効果的なのではないかと思う(だから、全篇完全にガユスの一人称にしてしまえばよかったのにと思いますですよ)。いやいや、楽しく読みました。うんうん。小回りのきく、粋なミステリみたいな認識で、このシリーズを楽しんでおります。