万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

世界はサービス残業で出来ている

……というのは明らかに言いすぎだけれども。
私なんざ社会経験に乏しいもので、小売業の経験しかないのだれど、日本の小売業というのは正社員のサービス残業とパートさんの低賃金に支えられている。この2つなしでは日本の小売業は崩壊する。というか、店によってはサービス残業と低賃金込みでも既に崩壊してたりする。
もちろん、中には有能な人もいて、そういう人は残業もせずにきっちり結果を残したりもするわけだけれど、感覚的にはそういった人は本当に一握りだよなあ。
ある状況では残業せずに結果を出していた人も、状況が変わるとサービス残業生活に逆戻りだったりする。例えば人事異動で人員が替わるとか、退職等で人員が減るとか。


ところで、今の小売業ってチェーン店がほとんど。
チェーン店ではオペレーション(まあ、仕事の進め方ですな)の標準化が要求されるってことになっている。標準化ってのはまあ要するに「誰でもどこでも出来るように共通のやり方にする」くらいの意味で。
これを読んでいるあなたが利用する多くのお店はチェーン店であり、どの店でも同じやり方で仕事をしており、その中で更に多くの店の店員さんがサービス残業している。


つまり、全員基本的に同じやり方で仕事をしているはずなのに残業する店としない店、または残業する人としない人が分かれているのが現状だ。
実はこれっておかしいことなんである。
「誰でも出来るように」オペレーションを標準化したはずなのに、そのやり方で仕事をしてみるとサービス残業せずに済むのは「ほんの一握りだけ」なんだよ。



原因はなんだろう。
例えば私が「じゃあ、オペレーションを標準化して」といわれたとする。じゃあ誰かの仕事の進め方を参考にしましょうってな話になったとして、バリバリ仕事を進める有能な人と、まあ目立たないフツーの人、どちらを参考にするか。やっぱり有能な人を参考にするだろうなと思うんだよ。
その結果、有能な人が基準となった標準化がなされる。
でも、店のスタッフとして働く人が全員有能なんていうのはありえないわけで。
本来は「誰でも同じ質で仕事が出来るように」という目的で進められた標準化が、実際にはレベルの高い人を基準として作られているおかげでその目的を果たせていないんじゃなかろうか。
そういった理由で、サービス残業ってのはなくならないんじゃなかろうか。


なんてことを、ここ数年考えております。
じゃあ今なんでこんなことを書いたかというと
なんのことはない、先月店長が人事異動で替わってから、また一日12〜16時間労働生活に逆戻りしたからなんだが。
スタッフのモチベーションが下がりまくりで苦慮している真っ最中……って、これ、店長が気にするべき事柄なんだがなぁ(笑)
以上、長文の愚痴でした。