万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

著作権の登録制度に関する二つの記事 で、報告書を読んでみますと……

とうとう「著作権」カテゴリを作ってしまったよ。今まで意地になって作らなかったのに(笑)。

Copy & Copyright Diary - 登録制度を読んで、ほう、そんなトピックがあったかと。
で、今のところ二つの記事しか見つけていないんだけども
著作権の登録制試案、総務省が正式発表 : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
総務省の検討会、著作者情報の登録制度と著作物の保護期間延長を提案  INTERNET Watch

読んでいただくとわかるように、この二つの記事、かなりニュアンスが異なっている。
読売から引用すると

試案では、新たな登録制度を創設し、登録した著作物については、権利者の所在がわからない場合でも、文化庁長官の判断で、著作物の対価となる補償金を裁判所に支払えば、権利者の許諾がなくても番組の再利用を認める内容となっている。

へー、そりゃ使い勝手がよくなりそうだね。

ところが、INTERNET Watchでは

このため、検討会では試案として、著作物の権利者情報に関する登録制度を新設するとともに、登録制度によって権利の所在が明確になった著作物に限って権利の保護期間を延長することを提案している。現在、著作権者の権利の保護期間は原則として死後50年(映画の場合は公表後70年)となっている。試案では、権利者情報を登録した場合に、保護期間を80年に延長するといった例を挙げている。

 また、登録された権利者の所在が不明となった場合には、裁定により使用料相当額の補償金を供託することで、著作物の利用を可能とする制度の活用を提案している。検討会では、権利者情報の登録制度と登録済み著作物の保護期間延長制度の導入により、著作物に関わる権利保護期間の延長という要請に応えながら、権利の保護と著作物の公正な利用のバランスを図れるとしている。


おいおい、延長なんて聞いてないよ、と。
延長については読売は一切触れていない。
このことになんらかの恣意的、誘導的なものを感じ取ってしまうのは、私がナベツネ大嫌いで、元アンチ巨人で、読売が主導の21世紀活字文化プロジェクト不信感を持っているからだけではないように思う。

でさ、よく見たらINTERNET Watchに参考として総務省がリンクされている。で、そこに飛ぶと報告書がPDFファイルの形で公開されているのだな(こちら)。
読んでみるとわかるとおり、実はこの報告書では「著作権の保護期間を延長するべきか否か」という論点はほとんど取り上げられていない。ざっと読んだところ「文化庁の検討課題に入っているから著作権の保護延長されるだろう。でもそれだと利用が妨げられることも多いだろうから、権利の制限として延長には登録が必須ということにしてはどうか」という内容なのだな。
であるから、この報告のことを「総務省も著作権の保護期間延長を支持している」と言っている人がいたら、それは間違いである。これは重要なことだと思う。

もうひとつの柱である権利者の所在が不明の場合の裁定制度についてはまたの機会にでも。つーか、そろそろ眠い。

ついでに著作権の保護期間について検索していたら、Wikiにひっかかった。
著作権の保護期間 - Wikipedia
世界各国の著作権保護期間の一覧 - Wikipedia
とりあえず、欧米は確かに51年〜70年の保護期間が主流であること。欧米以外は50年が主流であり、およびアメリカの隣人であるカナダも保護期間は50年であること。EUでも著作隣接権については保護期間は公表後50年であることは抑えておくべきかもしれない。つまり、レコード協会が著作隣接権の保護期間延長を訴えたとしたら、それは少なくとも「欧」米並みとは言えないかも。