大橋ツヨシの「プー一族」堂々の完結。
大橋ツヨシというと、死角から打ち込まれるカウンターのようなギャグが印象的なんだけれども、その作品の中でも「プー一族」は、漫画家の内面吐露がされているという点で少々異色だと思う。
それに加え、本作では4コマへのストーリー性の導入にも挑戦している。4コマへのストーリー性の導入自体は今では特に珍しくないけれども、大橋ツヨシの極めて記号的な絵柄でそれを行うというのは、結構高いハードルであったに違いない。そのためには、自分の武器である「笑い」を捨てる回を作る必要があるのだから。
結果として、プー一族は傑作となったと思うのだが、どうも、ネットとか検索しても、感想があまりひっかかってこない。
もっともっと評価されるべき作品だと思う。
いや、正に感動のラストシーンだよ?
今の4コマを代表する作家を挙げろといわれると、色々名前は思い浮かぶのだけれど*1、大橋ツヨシの名を挙げ忘れることだけはあるまい。それを確信するに足る傑作であると思う。