万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

私的録音録画補償金:「そもそも論」vs 〆切

私的録音録画小委員会、見直し議論は「補償の必要がある」ことが前提?

補償制度の必要性について検討した前回の会合では、私的複製によって権利者などが受ける損失の有無について意見が対立。「議論が入口で終わっている」という声が多かったことから、今回の会合では「議論のたたき台」として、仮に補償の必要性があるとした場合の資料が提出され、議論が進められた。

小委員会で「そもそも論」が多く出るということは、言い換えると、委員から補償金の必要性や存在意義について疑問が出されているということだ。
それなのに、補償金の存続した場合の資料を提出し議論を進めていこうとするんだから、無茶ってもんである。
議論が入り口で終わっていることが不満であるのなら、入り口から奥に入っていこうとするのが普通のやり方というもので、この場合それは、市場や私的複製の状況を再調査、再検討して、権利者に本当に損害が出ているかをはっきりさせることに他ならない。そうするべきなんだよ、本当は。


じゃあ、なぜそうしないのか。
多分、〆切があるからじゃないかなと思うんだけれども。
文化庁は、去年の4月にこんなことを言っている。

私的録音録画補償金制度の見直しについて

この問題については、「私的録音・録画についての抜本的な見直し及び補償金制度に関してもその廃止や骨組みの見直し、更には他の措置の導入も視野に入れ、抜本的な検討を行うべきである」とされ、見直しの結論については、「平成19年度中には一定の具体的結論を得るよう、迅速に行う必要がある。」とされた。

つまり、「そもそもこの制度が必要かどうかをも視野に入れた検討をする」といわれている問題について話しているわけであるから、「そもそも論ばかりで議論が止まっている」というのは、お門違いの不満なのである。


さて、上記の引用内に、こんな部分がある。再度引用しよう。

「平成19年度中には一定の具体的結論を得るよう、迅速に行う必要がある。」とされた。

今年中じゃねーかよ*1


整理しよう。

  • そもそも補償金制度が必要かどうかも視野に入れて検討すべきだという方向が、昨年文化庁によって示されている。
  • 当然、「そもそも論」が展開されている。
  • ところが今回の小委員会では、その「そもそも」の部分を迂回するような議論が進められようとした。
  • 平成19年度中に何らかの結論を得なくてはいけないらしい。
  • 早いものでもう6月ですね。毎日蒸し暑くて大変です。


言い換えると、未だ「そもそも論」を推し進めるような、日本における私的複製が市場に与える影響、およびその金額だな、そういったものを算定・推定するような資料は提出されていないということだろう。いや、資料をきちんと読む時間がなかなか取れないんで、もし提出されていたらごめんなさいなんだけれども*2、普通に考えると、提出されているならばこういった迂回するような議論にはならないと思うんだよ。


さらに推測を重ねる。
もしかして、そういった市場調査・実態調査(もしくはその依頼)、そもそもしていないんじゃないか?
いや、失礼した。さすがにそのような無能な集団ではなかろう。きっと、思ったより資料としてまとめるのに時間がかかってしまっているに違いない。
しかし、19年度中になにかまとめなきゃいけないのだ。〆切があるんである。困った困った。
このままの路線では間に合わない。
どうしようか。
えーい、こうなったら、特に新たな根拠は提示できないけれども、「補償金は必要」という方向で議論を進めておくしかないって。


……という具合なんではなかろうかと邪推する。
そうか、文化庁も〆切に追われて大変なのだな。


もちろん、文化庁の〆切なんて知ったことではないのだが。

*1:正確には3月までですかね

*2:[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/07060102.htm:title=文化庁のサイト]に行って配布資料を確認してみたけれども、やはりそのような資料は配布・提出されていないようだ。なんか主張ばかりですよ。