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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

明日には文化庁が椎名委員の敵になる件について/今、椎名氏が本当にやるべきこと


私的録音録画小委員会:「ダウンロード違法化」不可避に - ITmedia News

反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (1/2) - ITmedia News

胸が悪くなるようなニュースであることよ。文化庁の連中、いつもこうだぜ。
さて、私的録音録画小委員会の委員であるところの椎名氏だけども、このような発言をしている。

「ダビング10と補償金は不可分」権利者団体がJEITA批判

また、椎名氏は、補償金制度の利点を冷静に判断してほしいとし、「DRMがあれば、補償金は必要ないという議論もあるが、一定のアロワンス(許可)のなかで、自由にコピーができる。これは利用者にとってもメーカーにとっても利益のあること。補償金はメーカーやユーザーにメリットのある制度だと思う。 iPodに端を発して、JEITAは廃止に突っ走り、権利者もなんとかしないとと突っ走って、政治的な膠着に至った。しかし、もうすこし冷静な判断があるんじゃないだろうか。メーカーの経営層の方に、冷静に判断していただけないかな、と思っている。もう一回補償金制度を社会のインフラとしてジャッジしていただけないかな、と強く期待しています」と、訴えた。


言い換えると、椎名氏にとっては私的録音録画補償金とは、私的複製によって権利者に生じた利益を補償するものではなく、コンテンツビジネス(というか、椎名氏にとっては「実演家」だろうが)の経済的な基盤をなすインフラなのだな。
個人的には、そもそもが補償目的の金の目的を取り違えて主張しているわけで、到底同意しかねるわけであるが、そんなことよりもなによりも、これだよ。

私的録音録画小委員会:「DRMが普及し、補償金がなくなる未来」を文化庁が提示 - ITmedia News

DRM付きコンテンツで、私的複製が可能な場合は、権利者とユーザー間で複製回数について契約が成立しており、権利者は複製を許諾している」という前提を提示。複製について別途料金を徴収するかどうかについても、権利者と利用者間の契約によって決めればいいとし、その場合は補償金が不要になる可能性がある――とする。

おわかりか?
つまり、文化庁が「将来的には補償金なし、DRMオンリーでいくからね」という、既定のレールを引いたんだよ。

これにたいする椎名氏のコメントというと

椎名和夫委員(実演家著作隣接権センター)は「これまでの長い議論が先に進むという意味で評価する」としながらも、「今度DRMがどうなっていき、どんな契約形態が出るかも分からない。30条による補償の必要性がなくなる可能性も踏まえながら、選択の余地を残しておいたほうがいい」などとし、補償金制度の維持も含めた中間的な解決を提案する。

甘いですよ。この2年間何を見てきたんだ?
今回、圧倒的な数の反対意見、しかも理論的なバックボーンをも備えた反対意見を、文化庁は力押しで放り投げた。それをあなたも目の前で見ていたわけでしょう?
いいですか? 文化庁の体質なんて変わりはしない。この先も力押しでくるんだ。椎名氏がどんなに反対しようと、補償金はなくなるんですよ!
今までは味方だった文化庁が、今日からは椎名さん、あなたの不倶戴天の敵になるんだ。裏切られた感想はいかがですか?


ここにいたって、補償金でインフラを構築しようとした椎名氏の方法論的な欠陥が露になるわけだ。そもそもインフラ目的ではない補償金を、「それではインフラがなくなってしまう!」って反対したところで、誰も聞く耳持つわけないじゃないか。
であるから、これから椎名氏がやるべきことは、もっと根本的なところ。著作権者に対する経済的インフラを構築すること自体への広い同意、コンセンサスを形成するところから始めなければいけない。
ええ、先は長いですよ。納得できない人も多いだろうし、私だって積極的に支持しているわけではない。
それでは間に合わない! という主張があるかもしれない。
でもそれは、補償金にインフラというものを「フリーライド」させようとしたのだから、そのせいでインフラそのものに対するコンセンサスを形成しようという活動が遅れたのだから、自業自得です。
同情はしませんよ。