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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

ブルーレイディスクへの補償金課金アピールがこれほどまでに紛糾することの意味とは

著作権


権利者団体が「ブルーレイへの課金まだですかー?」とアピールを行った。

デジタルチューナのみで補償金逃れのレコーダには「法的処置を」
「ブルーレイ課金は当然、早期実施を」権利者団体が意見表明

で、非難轟々である。(こちらこちらがそれぞれのページのはてなブックマークの状況。報道への反応としてとしてアップされたブログのエントリはどのくらいあるか把握してないけれど、目についたところでは
いまだに同じ主張の繰り返し・・・もはや補償金に賛成する理由はない - 録画人間の末路
著作権ヤクザがBDへの補償金について何かのたまっているようです - たこわさ
といったところだろうか)


実は私自身は、権利者団体がブルーレイディスクへの課金アピールをすること自体にはさほど反感を持たない。現在DVDやCDに課金されているのを是とするならばブルーレイディスクへの課金はその線に沿っていると言えるし(HDDとかSSDとかフラッシュメモリとか言われるのとはちょっと違うわな)、既に大臣のレベルでその方向性を支持されているし。言い換えるとブルーレイディスクへの課金自体は「また権利者団体が変なこと言いだしたぞ」というものではないと考えるからだ。
むしろ、ここは逆に考えるべきではないかと思う。突飛な思いつきでもないし、急に言い出したわけでもない、そんな内容のアピールが、なぜに多くの反感を買ってしまうのか。
ひとつには、権利者団体のアピールの仕方があまりに下手糞で、突っ込みを待っているようにしか見えないというのがある。
ニコニコ動画のユーザーを対象に……より正確には、アンケートを実施した時間帯にたまたまニコニコ動画でコンテンツを視聴していたユーザーのみを対象にした「ニコ割アンケート」の結果から日本全体の私的録音の現状を推測するという禁じ手を誇らしげに掲げて憂慮してみせるその姿は「馬鹿」そのものか、もし馬鹿でないならばわかった上でやっているということで「悪党」そのものである。
一方で、文化庁私的録音録画補償金の議論は非公開でやるよみたいなことを匂わせたりしていたんだが、その点については公開でやるべきとしている。そこんところは評価したい、というかするべき(まあ、文化庁は補償金縮小の意向を一度は表明しているわけで、密室でやられちゃかなわないってこともあるんでしょうな)。
もうひとつ、ユーザーの側に、補償金に対する不信感が蓄積されてきており、それが噴出している、ということ。まあ、これは今までも効果的なアピールに失敗し続けてきた権利者が自らまいた種であるわけだけれど。
言い換えると、この度のブルーレイディスク課金アピールへの多くの反対・反感の表明というのは、補償金制度に関する不支持が蓄積してしまっていて、ネットユーザーの支持なんてとてもじゃないけど得られないような現状を反映しているといえるんじゃかなろうかと思うわけであります、はい。


もちろん私個人の勝手な考えだけれど、もう「補償金制度」というあり方そのものが、もうユーザーの同意形成が得られないくらいにまでイメージが悪化してしまっていて、何かを達成しようという手段としては無理筋になってしまったのではないかな、などと。
以前にも書いたけれど、権利者は実際のところ、「私的録音録画補償金」を、自分たちに生じた不利益を埋め合わせるものという本来の目的(もしくは建前)のものではなく、いわば年金的な、クリエイターの生活や創作活動を下支えするインフラ的なものとして捉えている節がある(その急先鋒が椎名さん、なのかな? まあ、イメージ的にそう見えちゃうねぇ)。それならば、ここまでネガティブなイメージをふくらませるに至ってしまった「私的録音録画補償金」という手段を通してそれを達成しようとするよりは、制度の趣旨から見直した、新しいインフラ制度を提案していった方がいいのではないだろうか。「私たちの不利益を補償する」制度ではなくて「クリエイター達を下支えする」制度。きちんとした議論が行われるならば、それは私的録音録画補償金とは似ても似つかない内容のものになるだろうけど、そのこと自体は別に構わないでしょう?