万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

Googleブックサーチは問題であるから、俺たちに優しくしてくれ


勤務先に流対協からこんなFAXが流れてきた。さっき確認したらブログにも同内容の記事がアップされていたのでリンクしよう。

Googleショック|こんな本があるんです、いま

まだ分からないことが多いが、特に出版社に問題なのは、そもそもこの件の当事者になれるのかということである。出版社は、一部の編集著作物を除けば著作権者ではないし、レコードのような著作隣接権もないので、この点では当事者となれない。となると、著者から出版社、出版社から著作権等管理事業者に許諾を委託してGoogleと交渉するしかあるまい。幸い流対協有志で結成した日本出版著作権協会(JPCA) がある。ここを通じて交渉しながら、早急に著作隣接権を獲得する運動を推し進める必要がある。


つまり、「このままだと俺たちハブられちゃうから著作隣接権作ってくれよ」という主張だ。個人的には、自分たちが儲からないから新たな権利を作ってくれというのは、どんなに取り繕っても同意しかねる主張なんだが、まあ、それは本題ではない。
いや、おなじみ三田誠広氏の発言を思い出したのだ。暇人#9こと谷分章優氏のサイトにアップされた発言メモを引用しよう。
エンドユーザーの見た著作権: 著作権分科会 #28 ――フェアユース戦線はいつもの風景

Googleは告知広告で、こういった和解があったとは知らせているが、謝罪の言葉が無い。明らかに法律に抵触することをしながら‥‥。アメリカの法律に「フェアユース」という概念があって、和解が成立して補償金を払う結果になっても、これは和解であって自分たちは「フェア」だと考えている。

と、日本版フェアユースを攻撃する根拠として、Googleの一件が使われているのだな。
ちなみに、このGoogleの一件については、Googleのやっていることがフェアユースだと判断されたわけじゃないんじゃなかろうか。あくまで和解だ。言い換えれば、和解した奴が悪い。



少し前に、出版不況を背景に、出版物に関する様々な権利主張(著作隣接権、消尽しない譲渡権、展示権、公貸権etc)が再び活発化してくるのではないかと書いたことがあったんだけれども、その格好の口実にGoogleブックサーチ騒動が利用されそうな、そんな気配がしないかい?
流対協が言うところの著作隣接権にしろ、以前より創設の動きってのがあったわけだ(最近は沈静化してましたが。「版面権」で検索するとよろし)。
そんな以前からの動きが活発化する、そのきっかけ……ではないな。きっかけは別にあって(なんのこたあない、出版不況だ)、その動き出す格好の道具として使われるGoogle
ちょっと気をつけて見ていく方がよさそうな、そんな気がするね。