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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

多様化する電子書籍、というか、多様化してほしい電子書籍

ヨタ話みたいなもんなんですが、少し前から思っていたことがあって、備忘録がわりに書きつけておこうかと思いましてね。
「電子書籍」と聞いて連想するのが今のところなんなのかと言うと、まあぶっちゃけ、テキストが詰まったファイルじゃないすか。青空文庫とか、理想書店とか、パピレスとか、まあ、例は何でもいいんですが。
書籍を電子機器上で再現するようなコンセプトでさぁね。
そういった物は全然アリですし、アリであり続けて欲しいとも思うんですが、電子書籍が普及した暁には(つーかまあ、長期的には普及せずにはおかないでしょうし)、新しい形を取るだろう、というのは誰もが予想するわけでございましてね。もちろん、全ての「電子書籍」の形が変わってしまうということはないんでしょうが。
一部の本が大好きで仕方がない変態どものなかでも更に一部の人達は、その、今まで見たことがない新しい書籍の形に目をキラキラさせていたりするんですが、その「本の未来」というのが、別段未来でも何でもないんじゃないか、今まで本が好きだという人の視界に入っていなかったというだけじゃないか、というお話です。
最初に断っておきますが、様々な可能性がある中で、その全てが全く新しいというわけではない、すでに存在するものもあるんじゃないかな、という話ですよ? 誤解なきよう。

例えば、この間読んでとても面白かった魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」まとめサイト。これなんか、2chのスレッドに特化したような書き方がなされているわけですよ。もちろん、電車男とかブラック企業とか、2chのスレッド発で書籍化がなされたような前例はあるわけですけど、これなんかは地の文がほとんどなし、ほぼ会話文のみで構成されている。ただ、これが珍しい形式かというと別にそうでもなかったりいたしましてね。スレッドを読むつもりで読むのと、「書籍」を読むんだ「小説」を読むんだというつもりで読むのとでは受け手の側の反応が変わってしまうというのは十分あることでしょう。
ただ、これから先、受け手の側が「書籍」や「小説」を読むつもりで専用端末なり専用ブラウザなりに向い合ってくれるなんて別に決まっていないわけです。

例えば、ニコニコ動画で、コミックが動画化されて投稿されているじゃないですか。えーと、これとか。
D
これはオリジナルですが、東方とかアイマスとか多いですわな。
既存のコミックを動画に仕立てましたというものではなく*1、画面表示のタイミングであったり、音楽の使い方であったり、基本静止絵なのに一部だけ頑張って動かしてみたり、コミックの動画化でなければなかった演出というものが成されているものも少なくないんですわ。
まあ、それを言ったら、ノベルゲームとかギャルゲーとかが更に先行してあったとも言えますが。

ゲームと言えば、DSやPSPで、実用ソフトが多く出ていますな。実に様々なものが。中には家計簿や資格試験といった、従来書籍がカバーしていた分野のものもあります。
実用書が書籍であるなら、実用ソフトが電子書籍であって悪い理由というのもないので、そういった、現在だと実用ソフトとしてPCやゲーム機で使われているようなものが、将来は電子書籍端末なりビューワーなりで使われても、別段不思議ではないでしょう。

他にも色々あると思うんですが、つまり何が言いたいかと言うと、今まで「書籍」の外で存在していたコンテンツが電子書籍に流入してくることもあるだろうということでして。
音楽だと、自分の持っている音源を簡単に電子化できるというのが、普及に大きな役割を果たしたかと思うんですが、書籍だと中々そうは行きません。BOOKSCANみたいなサービスもありますし、おそらく、類似のサービスや構想がこれから先も複数回出てくるでしょうが、今の著作権法ではどうも違法っぽいですし、これは、ユーザーが自分の蔵書を電子化して持ち歩くというのがなかなかに困難な社会であるということを意味します。
電子書籍では「これから入手するコンテンツ」しか楽しめない、となれば、従来「書籍」として扱われてこなかったコンテンツを「電子書籍」として楽しむユーザー層というのも出現しやすいのではありますまいか。過去に縛られる要因が減るわけですから。もっとも、その頃には「電子書籍」という名称自体が化石になっちゃってる可能性が高いですけど。
これからは書籍そのものよりも、それに関連したコミュニティやらつながりやらが価値を持つ社会になる、という話は度々目にします。おそらく、それはユーザー同士のつながりのみならず、作品同士のつながりも含むかと思います。
私たちは日常的に書籍を書籍ではないコンテンツと絡めて話をする、ということをやっていますよね。映画であったり、音楽であったり、時にはゲームであったり。
ならば、その中に、従来コンテンツとしてパッケージされていなかった、言い換えると商売にされていなかったコンテンツが含まれても不思議はありません。というか当然の流れ。
えーと、つまり何を言いたいかともうしますとね、近い将来とは申しませんが、十分に時間がたった後には、私たちが今「本」「書籍」と読んでいるものは、新しい「書籍」(別の名前になっているかもしれませんが)の一部になっているのだろうなあ、と。そんなことをつらつら考えているわけでございます。

*1:いや、そういう物も有るんですが