万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

単行本の帯って、不親切じゃない?

万来堂日記2ndにて2007年9月23日に書いたエントリの再掲です。
http://d.hatena.ne.jp/banraidou/20070923/1190502102









先日、休みの日に本屋とレコード屋をハシゴしてお腹いっぱいだったんだけども、その時今更ながらつくづく思ったんだけどもさ。
単行本の帯のコメントって、一見さんにすっごい不親切じゃないかい?
文庫と違って単行本って、あらすじとか書いてないことが多いし、第三者による解説だってついてないしさ(電撃文庫シュリンクされてる場合もそうだな。あらすじが読めない。いや、近所の本屋がそうなんだけど)。
じゃあ、その本のシーンにおける立ち居地が書いてあるかというと、そういうわけでもない。


例えば今手元にたまたま北村薫の「玻璃の天」があるんだけど、これの帯には「昭和初期を舞台にした北村ワールド」とか書いてある。じゃあ、その北村ワールドがどのくらいの高評価を受けているかというと、さっぱりわからない。いや、「秋の花」とか覆面作家シリーズとか大好きだけどさ。


例えば、またもたまたま桜庭一樹の「赤朽葉家の伝説」があるんだけど、これの帯には「『少女には向かない職業』の新鋭、ついに本領発揮!」とか書いてある。じゃあ「少女には向かない職業」って、どんな評価されたのよ、と。いや、こないだ「桜庭一樹読書日記」読んで、すごく面白かったけどさ。


そもそも北村薫桜庭一樹が高く評価されていることを知ってないと、上記のようなコメントは効果を発揮しないと思うわけで。


どんな作品か伝えようとしたり、ぱっと目を引く一文を苦心惨憺の末生み出したりってのは結構な苦労だと思うんだけれど、その反面、その作品や作家のシーンに置ける立ち居地の情報というのがとても少ない帯が多いんじゃないかと。
CDでも以前から「最近のお客さんは保証があるものを好むから、コンピ盤が良く売れる」とか、本でもベストセラーに売上が集中する一方で新刊点数はすごいことになっていたりするわけでしょ。
リアル書店の醍醐味というのは、偶然の本との出会い*1が魅力のひとつだし、ネット書店に対するアドバンテージでもあるわけでしょ。ネットで買うときはどうせ帯なんか見やしねえわけだし。
それなのに、単行本の帯には、購入する時に保証の役目を果たすような立ち居地の情報がない。保証がなければ、そりゃあ安心印のベストセラーに集中もするさね。これってね、もしかして間接的にリアル書店の足をひっぱってるんじゃねえかと思うんだよ。
そりゃ、立ち居地の情報なんてネットで検索すればいくらでも出てくるし、新聞や雑誌での書評もあるけどさ。本屋で見かけてちょっと気になった本があって、家に帰ってその本について調べてみるなんて人は、極論だけどさ、帯なんかなくたって本を買う人だって(笑)。でも、帯ってそういう人じゃない、店頭でその本をたまたま目にした一見さんを対象としたもののはずでしょ?

例えば、今、手元に近藤史恵の「サクリファイス」があるんだけれど、この本の帯には実に熱のこもった推薦文が書かれている。では、近藤史恵の名前を聞いたことがない一見さんに対する「保証」があるかというと、残念ながらこの推薦文を素直に信じる以外にないわけで。


家を出る直前に9月3日付けの帰ってきた炎の営業日誌を読んだこともあり(ていうか、そこで絶賛されていたので「サクリファイス」を買ってきたのだけれど)、こんなことをつらつらと思ったわけですよ。
では、寝る。