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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

知的障害と、ぞっとしたことと、ほっとしたこと

2007年9月2日に万来堂日記2ndに投稿したエントリの再掲です。
http://d.hatena.ne.jp/banraidou/20070902/1188698141







小売業や接客業している人はわかると思うのだけれど、店にお客さんとして知的障害っぽい人や統合失調っぽい人が来るのって、別に珍しいことではない。
こちらも何か特別な対応をするわけでもないし。
他のお客さんの迷惑になるようなことをされたら、そりゃ困るが、そういった人が特に迷惑なことをすることが多いというわけでもないし。正直、本を座り読みする人や酔っ払いの方が余程迷惑だし。
悪い言い方かもしれないが、店の側からしてみると、なんてことはないのだ。


今日もそういった感じのそういった感じのお客さんが来た。検査もせずにパッと見で、その人が知的障害者なのか、統合失調なのか、はたまた全然別の何かなのか見分ける自信はまったく無いので、まぁ、「そういった人」だ*1
私に某コミックはどこにあるか聞いてきたので案内した。
そのお客さんはまるで誰かと会話しているかのように、一人でコミックの話をずっとしていた。曰く、ドラマと全然違うとか、これは面白いとか。
一人で誰かと会話している風ってのは、まあ、変わってるといえば変わっているが、別段声が大きいわけでもないし(本当、普通に誰かと会話しているような大きさだった)、他のお客さんに話しかけるでもないし。まあ、なんてことはない。
そのお客さんは、しばらくコミックを見た後、ニコニコしながら帰っていった。
するとだ、別の、中学生くらいの子供をつれたお客さんが、その後姿を指差して「誰としゃべってるんだ」という。
なんとこたえたものかとちょっと考え「まあ、色んな方がいらっしゃいますんで」と応えた。
すると私の方を向いてこういうのだ。
「電波?」
知らんがな、そんなん。
「さあ、わかりかねますが」
そして次にこんなご要望をいただいた。



「あの人が二度と店に来ないようにしてください」



さすがにこれにはなんと返したらいいか、全く思いつかず、曖昧な笑顔でその場は乗り切ったんだが。
独身の私がこんなこと言っても説得力無いんだが、自分の子供の目の前で言うべき台詞ではないように思った。



これが真昼間のこと。
夕方、夜の勤務に入るアルバイトたちに、こんなことがあったと話をして聞かせた(まあ、あまりいいことじゃない気もするが、どうしても話しておきたかったのだ)。
アルバイト君たちは、私の言いたいことをわかってくれたようだ。これまた良いことじゃないんだが、中には怒りの声をあげるものもいた。


いや、正直ほっとしたなぁ。


繰り返しになるが、今日の、まあそういった風なお客さんは、風変わりではあったが、特に迷惑ということは無かった。
もっと迷惑なお客さんはいくらでもいる。もっと大声の人も、通路に座る人も、シュリンクを破る人も、通路をふさぐ人も、立ち読みした本をそこら辺に放り投げていく人も。
なんてことはない。あのお客さんは確かに普通ではなかったが、それだけの話だ。
当たり前のことではあるんだけれど、「普通ではない」だけで、そのお客さんを不快に思ったり、迷惑に思ったりするようなスタッフにはなってほしくないからね。これはウチの店だけでというんじゃなくて、将来どんな職場に行っても、どんな環境に暮らしても、同じことだと思うし。
本当にほっとした。



ついでながら、親子連れのお客さんだが、息子さんが親父さんをたしなめていた。その直前に私が言った台詞で。「色々な人がいるんだから」と。
うん、やっぱり年齢って関係ないね。