万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

6月29日に落語を聞きに行った記録

余裕で家でマンガ読んでいたら、時間は残酷にも過ぎ去り、落語会に遅刻。
久しぶりに岡町へ。

豊中市 伝統芸能
いきなり九雀の日

九雀…金明竹
眞…鴻池の犬
寒空はだか(漫談)
九雀…転宅


最初は眞さんかと思ったら、いきなり九雀さん登板で、金明竹は途中から。会場、結構な入り。
金明竹の言いたての部分、方言のせいでわけがわからないのでもなく、早口だからわけがわからないのでもなく、言葉が難しいからわけがわからない(考えてみれば、専門用語だらけだもんな)というつくり。むしろ、話す側は理解してもらおうとゆっくりはっきり喋ろうとしていたり。そのせいで、「言いたての部分の文句の面白さ」事態で客席から笑いが。言いたての最期の部分が言葉遊びになってるのは知識としては知っていたけれど、その部分で笑ったのは初めてかも。丁寧で楽しい金明竹
眞さん、鴻池の犬。眞さんの大ネタを聞くのは初めて。犬が元気。犬が捨てられる回想シーン、いい感じ。湿っぽくなった雰囲気をまた明るく変えるのも鮮やかで。収穫。
寒空はだかさん、名前は知っていたけれど見るのは初めて。前半の政治風刺や時事ネタを絡めた漫談、よく受けていたし面白かった。文楽の話題や阪急と阪神の話題なども絡めて。地元ネタ、嬉しいものだね。後半は噂の「東京タワーの歌」に「スカイツリー音頭」
九雀さん再登場、アドリブなのか否か出囃子がスカイツリー音頭に。楽しくなる遊び心。マクラで、今日は眞さんの「鴻池の犬」もネタ下ろしなので、安定感のあるのは寒空はだかさんだけ、とのこと。また、「金明竹」で一か所言い間違いをされた事に触れ(言いたての部分ではなかった)、でも今まできちんとしようとしすぎたという反省がある、いい加減でいいんです、とのこと。
転宅、どこがどうという特徴を挙げろと言われると私程度の文章力・鑑賞力では難しいのだけれど、これも一席目同様で軽妙で楽しい。
九雀さん、メルマガで持ちネタを新たに総入れ替えすると宣言されていたけれど(マクラで「いいかげんでいい」とおっしゃられたのとも関係するのだろう。そう言った方向へ変化していこうという意向をお持ちということで)、先日足を運んだ「落語の定九日」で披露された「淀の鯉」「慶応三年」、そして今日の「金明竹」「転宅」と、新たにネタ下ろしされた4席を幸運にも聞くことが出来ているのだけれど、どれも軽妙で、わかりやすく、楽しい。
でも、じゃあ今まで聞いた九雀さんの噺で「軽妙で楽しい」という形容詞が当てはまらないものはと聞かれると、それはそれで困ってしまう。「なるほど、こういうところが変わったんだな」と私なりに納得できるようになるのは、まだまだ先の話なんだろう。
こういった「面白いんだけどその面白さをどのように書いたらいいのかわからない」というのは、その人を追いかけるモチベーションになったりするので、嬉しい。私が米二さんの会にできるだけ足を運ぶようになったのも、元はと言えばそういうことなのだ。