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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

7月6日と7日に落語を聞きに行った記録

6日、動楽亭の昼席に行くつもりだったが起きることが出来ず。
夕方四時ごろ家を出る。かなりのどしゃ降りだったため駅まで徒歩。
繁昌亭に到着、雨なのにかなりの行列。最終的には立ち見も出る盛況だった。

繁昌亭夜席 笑福亭松枝独演会
飛梅…いかけ屋
松五…時うどん
松枝…貧乏花見
中入
ミッチー純(マジック)
松枝…住吉駕籠


中入前、松枝さん、マクラで昨日の六代目文枝襲名パーティーにまつわるエピソードや、上方落語協会のビルについてのエピソードを面白おかしく。あのビル、使い勝手の評判、悪いねぇ(笑)。
トリの住吉駕籠は、逆にマクラほとんどなしでたっぷりと。
以前寝床を聞いた時にも思ったのだけれど、膨らませるポイント、笑わせるポイント、省略するポイントというのがいわゆる普通の型とは大分違っており、それでいて軽妙に笑わせてもらえるので、新鮮。

いつもはネットカフェに潜り込んで夜を明かすのだが、2週間前にひいた風邪がまだ完全には治っていないので、奮発してビジネスホテルに宿泊。

翌日8時起床。行く予定の落語会、昼からだと思っていたんだが、念のため確認したら18時半からだった。時間をつぶさねばならない。
繁昌亭から歩いていける距離のビジネスホテルに宿泊したので、初めて朝席に行くことにした。


繁昌亭朝席 枝さんの朝から落語会
紫…眼鏡屋盗人
枝三郎…動物園
三段…生まれ変わり
枝三郎…皿屋敷


前日の雨がまだ残っており、寂しい入り。だが若い女性が多い。枝三郎さんがマクラで言うには、学校の授業の一環で来ている女性陣だとのこと。
ということは落語の初心者が多いと判断されたのだろう。落語の所作の解説などしながら長めのマクラ。それでも客席の空気が重い感じ。紫さん、三段さんが撃墜される中、枝三郎さんが奮闘するも敗色濃厚、と言った気配。
皿屋敷では三段さんを高座に呼び入れたりとか、色々と客席の空気を軽くしようとされていたのだけれど、そのせいか皿屋敷がかなり駆け足気味になってしまったのは残念に思った。


まだ夜まで時間をつぶさなければならない。動楽亭へ。
早くつきすぎたので、新世界周辺の写真を撮り、通天閣を「スカイツリーだ」と偽ってtwitterにアップしたが、反応薄し。少し青空が覗きはじめた。


動楽亭昼席
団治郎…狸賽
佐ん吉…蛇含草
団朝…座長の涙
雀松…仏師屋盗人
中入
米平…天狗裁き
米團治…らくだ


こちらはほぼ満員。
団治郎さんは私が憎んでしかるべきイケメンだが、なかなか達者なので好感を持っている。今日も安定。でも、なんか見た目に反して若々しくないよね(笑)。以前、別の会で「桃太郎」をかけられて、その時も達者な高座だったんだけど、「きょうびの子供は全く…」てな感じで話に入られて、いや、あなた、そんな年行ってないだろう、と(笑)。
佐ん吉さんはさすがにもう一つ上の安定感で。細身なんだけど食いすぎた後は本当に太ったみたいに見える。
団朝さんは、新世界周辺には大衆演劇の劇場が5つもあるという話から「座長の涙」という新作。調べてみたら小佐田定雄作だそうだ。初めて聞く話で、笑いも多く、とても楽しい。大衆演劇をテーマにした落語って、珍しいんじゃないかしら。
雀松さん、マクラでAKBの話題から「米朝事務所でも総選挙やりましょか!? ……でもざこばさんがセンターとれずに暴れたり、米團治が女性問題で福岡に左遷されたり……」
トリの米團治さん、明日、独演会をやるのだけれど、明日やるネタをやってもいいかと客席に問いかけ。客席からは拍手。そりゃそうだわな。
「らくだ」は火屋まで行くフルバージョン。以前にも米團治さんの「らくだ」は聞いたことがあるはずなのだけれど、その時はフルだったかどうか忘れてしまった。
酒を飲み始めてからが楽しかった。頭の毛を剃るあのシーンが、陰惨なはずなのにとても明るく楽しい。
一か所、重要に思える改変があったが、さすがに独演会前日なので書くのは自重する。


終演後、なんばまで出て近鉄に乗り換え、奈良へ。奈良に行くのは修学旅行以来か。ということは、約20年ぶりか。げげげ。
雨はすっかり上がった。

第26回 らくご・らいぶ in GM-1(ギャラリーGM-1)
優々…転失気
米二…つる
鯛蔵…強情灸
米二…菊江仏壇


小さな会場。5〜60人くらい? ほぼ満員。
受付で小さなおにぎりとお茶をもらう。ご馳走様でした。
朝の繁昌亭とは打って変わって、笑いの多い、いい雰囲気。
「寄合酒」で感動して以来、米二さんの前座噺って何気に楽しみにしているのだけれど、「つる」も楽しかった。私、「つる」でよくある「南京虫は脚気患うか?」というフレーズ、あまり面白いと思ったことがないのだけれど、米二さんはそこ、別のフレーズに変えてらっしゃった。心の中で「ですよねー」と呟く。生喬さんもこのフレーズは変えてらっしゃったな。
で、鯛蔵さんがエネルギッシュな素晴らしい高座。マクラも初めて聞くパターン。灸の熱さに苦しむところはオーバーアクション。今まで見た鯛蔵さんの高座で、今日が一番面白かったかもしれない。「手堅く面白い」イメージを持っていたのだけれど、弾けていた。
鯛蔵さんの高座は本当に素晴らしかったのだけれど、この2日間で一番素晴らしかったのはやはりトリの「菊江仏壇」。
昨年も運よく音太小屋寄席で米二さんが「菊江仏壇」をかけられた時に聞くことが出来たのだけれど、その時に比べ、ずっと笑いの多い、楽しい印象。これも陰惨な話なのだけれど、楽しい。
楽しさの中にも、若旦那の非常に複雑な人間性というのが匂わされていて一筋縄ではいかず。他にも番頭の小悪党っぷりや、客席から思わず「いるわ〜」と声が漏れた佐助のえげつない酔いっぷり、この噺が喜劇でなかったらもう名ヒロインとなったであろうお花さんの健気さとか。どうも私、こういった、群像劇であることが強く意識されるような高座に弱いみたいだ。米二さんの「千両みかん」に感動したのもそうだしな。

あと、今日ようやく気づかされたのだけれど、これも、お囃子さんとの連携が非常に重要な噺なのね。


帰りは珍しく阪神電車で帰宅。夜空に星。