万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

書籍

「阪急電車」と「図書館戦争」と誇り

この二日間で有川浩「阪急電車」と「図書館革命」と「別冊 図書館戦争1」を読了した。図書館革命作者:有川 浩メディアワークスAmazon別冊 図書館戦争〈1〉作者:有川 浩アスキーメディアワークスAmazon阪急電車作者:有川 浩幻冬舎Amazonおかげで頭の中がすっ…

私家版SF OLD STANDARD その2 ハードSF 妄想自然科学入門

SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」、2番目は松浦晋也氏によるハードSFのブックガイド。その名も「科学+文芸≦SF ハードSF、理系小説」であります。 SFの中でも自然科学、ハード・サイエン…

私家版SF OLD STANDARD その2 サイバーパンクSF 千葉市の春を愛す

SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」。トップバッターを飾りますのが前島賢氏による「チバ・シティの現在 ポスト・サイバーパンク」でございます。 ご存知の方には野暮な事柄でございましょう…

私家版SF OLD STANDARD その1 前口上 或いは言い訳でいっぱいの海

SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇早川書房Amazon「SFが読みたい! 2008年度版」をあちこちつまみ食い的に読み進めているわけですが、その中に「SF最新スタンダード200徹底紹介」というコーナーがございまして。「この…

そろそろ「ファンタジー文庫」を滅ぼしておこうか

ジャンルとしてのファンタジーをどうこう言う気は微塵もない。 あくまで名称の話。 もちろん、ハヤカワ文庫FTを攻撃する気もないし、スーパーファンタジー文庫や富士見ファンタジア文庫を非難する気もない。 問題なのは……ファンタジー文庫 - Google 検索あー…

「迷惑な進化」 或いは「ダーウィンよ! 私は帰ってきた!!」

迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか作者:モアレム,シャロン,プリンス,ジョナサンNHK出版Amazon読了。途中までは軽めの楽しい本だと思っていたけど、いやはや、途中から印象は一変。こいつぁ結構挑発的な本かもしれない。 聞きたまえ諸君。ラマルクが…

航空宇宙軍史がすごいことになるらしい。

いや、ちょっとはチェックしておかなきゃと思って、「このミステリーがすごい! 2008年版」をパラパラと見てたんですよ。 そしたら、61ページで、谷甲州が航空宇宙軍史の全面改稿に着手すると書いてあった。へー。 なんだとっ!! マジか? 本当に本当か? …

ベンジャミン伊東はあと一年を待たずに沈没する

ブログに書くネタをメモしておくことがある。で、忙しくて余裕がないときはメモしたこと自体を忘れたり、後で読み返してもなんでこんなことをメモしたのかわからなかったりする。 メモされた、謎の人名「ベンジャミン伊東」。 なんのこっちゃさっぱり思い出…

グールド「神と科学は共存できるか?」……本当、グールドとドーキンスは仲良く出来ないね(笑)

神と科学は共存できるか?作者:スティーヴン・ジェイ・グールド日経BPAmazon神は妄想である―宗教との決別作者:リチャード・ドーキンス早川書房Amazonグールドの「神と科学は共存できるか?」を読了した。そう、今年話題となった本、ドーキンスの「神は妄想で…

ケータイ小説は進化する。というか進化はする。

ケータイ小説を理解できない人間は既に老害化しているという衝撃の事実 - Aerodynamik - 航空力学こどものもうそうblog | ケータイ小説を理解している人をニュータイプとか言う人間は既に老害化しているという衝撃の事実 とりあえず、思いついたことを適当に…

「時砂の王」は、新しい小川一水の幕開けであるかもしれない

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)作者:小川 一水早川書房Amazon中々時間が取れなかったのだけれど、読み始めたら一気に読了。 このような傑作が単行本ではなく文庫書き下ろしで刊行されるとは、なんとも贅沢な時代になったものだ。 小川一水がこれまで発表してきた…

DS文学全集に夢中 その4 北村薫の短編をダウンロードしてみた

DS文学全集任天堂AmazonDS文学全集で、北村薫の短編が配布されていたのでダウンロードしてみたっす。 タイトルは「縁側」。 なんでも近代文学をモチーフにした書下ろし短編だそうで、これはというと漱石の「門」をモチーフにしたもの。作中に引用もあり。「…

DS文学全集に夢中 その3 海野十三大奮闘

DS文学全集任天堂Amazonさて、DS文学全集にはランキング機能というのがありまして、Wi-fiでその時の全国のランキングをダウンロードして読書の指針に出来るですよ。 さっそくダウンロードしてみましたとも。 このランキングはその性質上、刻一刻と変化してい…

DS文学全集に夢中 その2 電子書籍としてのDSの可能性

DS文学全集任天堂Amazon さてさて、DS文学全集に夢中なわけですが。 細かい要望はありますが、DS文学全集はかなり使いやすい、読みやすいと思います。 また、作品をDSステーションでダウンロードして追加できるのもいい試みです。また、公式サイトでもアナウ…

DS文学全集に夢中 その1 使い勝手と要望

DS文学全集任天堂Amazon少々乗り遅れた感はありますが、DS文学全集に夢中であります。 まだ数編しか読めていないのだけれど、これはいい。ケータイで小説を読むということに関しては、過去何度か挫折しているのだけれど(慣れの問題も大きいと思うんですが、…

私家版10大4コマ

私家版世界十大小説 - after game over はてなブックマーク - idiotapeのブックマーク / 世十本勢いに任せた私家版10大○○もこれが最後だよ! これ以上は逆さに振っても鼻血もでないよ!……ていうか、これが一番やりたかったりするんだけど(笑)。ニッチもい…

私家版10大日本SF

私家版世界十大小説 - after game over はてなブックマーク - idiotapeのブックマーク / 世十本かくも流行している「世十本」。いや、選んでみると面白いのなんのって。いや、バトンよりも気楽と言うか。誰かから来るとか誰に渡そうか悩むとかそういったもの…

十大小説が流行っている……ああ! もう我慢できない! 私もやるぞ!

私家版世界十大小説 - after game over 私家版世界十大小説 - 世界の果てのクロエの祈り Where Sweetness and Light Failed - The 10 Greatest Novels of All Time 世界十大小説 - Where Sweetness and Light Failed 私家版世界十大小説 - 「石版!」 私家版…

ミシェル・ウエルベック「素粒子」を読んでいます。

ある島の可能性作者:ミシェル ウエルベック角川書店Amazon素粒子 (ちくま文庫)作者:ミシェル ウエルベック筑摩書房Amazon「ある島の可能性」を読む前に積んであった「素粒子」を読んでおこうと思い、「素粒子」を読み始めた。 まだ半分くらいしか読んでいな…

21世紀ダーウィン――柳広司「はじまりの島」における現代的なダーウィン

2連続公休の前日に期せずして体調を崩してしまい、予期せぬ三連休となった。二日目には体調もだいぶ回復したのだが、出かけるのもなにか悪い気がしたため、読書三昧である。 柳広司の連作短編集「百万のマルコ」(創元推理文庫)が軽妙洒脱で面白かったので…

ライトノベルもサイバーパンクも似たようなもんです。きっと。/あれ? 運動が巨大化してジャンルになるのか?

ライトノベルとサイバーパンクは似たようなものだと思っていたのだけれど違うのだろうか。誰か私に手取り足取り教えてくれる優しいエロい人はいないだろうか。えーと、24歳から35歳くらいの、女性の方が良いです。 雲上四季 - 極めて個人的なライトノベルの…

私はなぜアホみたいに本を買うようになったか

月に3万〜5万くらい本を買っている。せっかく新古書店に勤めているのに、9割方新刊書店から買っている。恐ろしい。 おまけに、通勤は自転車で5分だし、家に帰ったら寝るのに必死だしで、ちっとも消化していけない。部屋と実家の物置では数多くの本が未読のま…

「桜庭一樹読書日記」が鼻血がでるほどキュートだ

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。作者:桜庭 一樹東京創元社Amazon今読んでいる最中なんだけれど、表紙も内容もめちゃめちゃキュート! 自立した女性作家の本まみれの日常が、なぜにこうもかわいらしいのか。 いやあ、半径2キロ以内にいたら、間…

文学少女とシリーズ物の愉しみ 或いは 野村美月をダシにして北村薫を持ち上げる

”文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)作者:野村 美月KADOKAWAAmazon上記読了。面白かったー。 シリーズの既刊で張られていた伏線をこれでもかと回収している。 で、その中でもあのエピソードが重要な伏線となっていたとは! いやあ、痛快痛快。 電車で出…

「本泥棒」は「スローターハウス5」と比べ物にならないだろうと思う。しかしながら……

本泥棒作者:マークース ズーサック早川書房Amazon「本泥棒」読了。 まず、本が好きな人が読みたくなくなる2点を挙げよう。・アメリカで脅威のロングセラーとなっているらしいこと。・映画化権が二十世紀フォックスに売れていること。 次に、私が読みたいな、…

生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)作者:福岡 伸一講談社Amazon話題の新書を読了。 実に静かな本である。 本書では細胞膜の振る舞いに関して、詳しいことが書かれている。 なんと地味な! そう、地味である。 まあ、基礎研究だからね。地味でしょう。 し…

「神は妄想である」を絶賛できないのはなぜだ?

神は妄想である―宗教との決別作者:リチャード・ドーキンス早川書房Amazon あのリチャード・ドーキンスが宗教(厳密には一神教)をけちょんけちょんにけなして全否定してみせた話題の本をようやく読了。 切れ味は鋭く、また、これが現代社会に出るべくしてで…

DSで小説を読むことがごく普通になったらという妄想

DS電撃文庫 イリヤの空、UFOの夏(初回限定版)メディアワークスAmazonDS電撃文庫 いぬかみっ!(初回限定版)メディアワークスAmazonDS電撃文庫 アリソン(特典無し)メディアワークスAmazon[asin:B000LQWQX2:detail]こういったものに加えてDS図書館 世界名作&推理…

「虐殺器官」は進化心理学SFの傑作である……と、お、思いませんか?(弱気)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon「虐殺器官」は骨太なエンターテイメントSFで、本年度の喜ぶべき収穫。 色んな要素を消化して楽しませてくれるんだけどさ、色んな人の感想や惹き文句を見てみると、言語学への言…

「最後から二番目の真実」はいいタイミングで復刊されたかも

最後から二番目の真実 (創元SF文庫)作者:フィリップ・K. ディック東京創元社Amazon待望の復刊。 というか、ディックの本だったらなんであろうと私にとっては「待望」なんだが。 敬愛する作家であるディックについては冷静に語ることが中々できないので、この…