SF
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon読了した。これはいいわー。百合の香り漂う表紙や粗筋からは想像つかないが、途中から戦場成分が盛り込まれてくる。だから火薬と硝煙の物語でもあった「虐殺器官」が好きだった…
虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)作者:田中 哲弥東京創元社Amazonというわけで、今「虚構機関」を読んでいる。考えてみればSFアンソロジーを読むのは久しぶりで、実に楽しく読んでいるわけだけれど、大森望の序文にこんなことが書いてあった。 ほら、…
すまない。また「炉心融解」の話なんだ。もうリピートが止まらなくてね。音的なことは難しいことよくわからないんだけど、キャッチーでJ-POP的なメロディーやオケとドラムンベースをくっつけた時点で、もう勝ったも同然というか。ありそうで(特に最近は)な…
この一連のエントリでハヤカワ文庫JAの作品群をどう取り上げたものか、いやあ、悩ましいものがある。 無視できないカタログがそろっているものの、年代別に取り上げるようなアプローチを取るには欠落が多すぎるし、クラシックとも言える作品については他の…
サイバーパンク運動が終わってもSFは続く。 90年代以降、わかりやすい大きな流れは特にない。もちろん、注目すべき流れや作品・作家はある。 言い換えると、まだまだきちんとした世界地図を誰も書いていない程度には、90年代以降の海外SFは混沌とし…
と、いうわけで、80年代に華麗に登場したサイバーパンクは瞬く間に燃え広がり、SFを席巻した。 ……のか? 本当に? サイバーパンクはすごかった。それは確か。多くの才能を輩出したし、多くの影響をもたらしたし、それに続く作品や、他の作家が便利に使え…
かつて、そこには豊かな森が広がっていた。最初期にそこに移り住んできた作家たちはその地域の利用可能な資源の豊かさに目を見張った。入植者たちは「SFktkr! これで勝つる!」と喜んだ。 仕留めやすい獲物も多かったし、果実ももぎ放題だった。 すぐ近く…
ニューウェーブ以降、80年代に入るまでわかりやすい運動・流れといったものはないのだけれど、すぐれた作品は多く生み出された。 そんな中でも注目すべきは女性作家の台頭だと思う。 36・「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グィン 37・「所有せざる人々…
80年代初頭に、グレゴリイ・ベンフォードあたりが筆頭になってファンタジー汚染論なるものが唱えられたことがある。簡単にまとめると 「なんか最近、舞台を『遠い未来の他の惑星』に置き換えただけのサイエンスファンタジーばっかし幅きかせやがって。俺ら…
先のエントリで「というか、60年代後半から80年代を迎えるまでの作品群、なぜかいまでは入手しにくいものが多いのである」と書いたけれど、先のエントリで名前だけ挙げた作家たちの他にも、これから挙げる作家たちのことを念頭においてあのように書いた…
英米のSFを語るときに、1950年代のことを黄金時代などと言ったりすることがある。 ようするに定番中の定番。鉄板中の鉄板。ミステリで言うならクリスティやらクイーンやら。歴史小説で言うなら司馬遼太郎やら藤沢周平やら。それくらいの作品が発表され…
以前からハヤカワ文庫はHOT HITと題してフェアを行っていたんだけれども、それがこの秋からハヤカワ文庫の100冊としてリニューアルするのだそうで。うち10タイトルをマニア垂涎の復刻・復刊が占めていたり、25タイトルが新しいカバーになったり…
さて、なんとなく50年代、60年代ときて、じゃあ次は70年代なのだけれど、そういった流れを追うようなやり方だと、なかなか言及しにくいような作家・作品というのもでてくるわけですよ。 また、そんな作品・作家に限って好きだったり面白かったりするわ…
60年代に入ると、イギリス発でニューウェーブと呼ばれる流れが起こる。簡単に言うと、マンネリ気味なSF業界に生きのいい若手が小説技巧やそれまでなかった主題や実験を武器に殴り込みをかけた。で、ジュディス・メリルという有名な編集者が「英国、SF…
SF小説を語るのに全てのSF小説を読む必要はあるか? - ハックルベリーに会いに行く 引用しよう。 だから、もし本当にSF小説を語りたいなら、読むのは一冊(多くて二冊)で良い。但し、それは重要な作品である必要がある。そして、それが重要な作品なのだとい…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」、2番目は松浦晋也氏によるハードSFのブックガイド。その名も「科学+文芸≦SF ハードSF、理系小説」であります。 SFの中でも自然科学、ハード・サイエン…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」。トップバッターを飾りますのが前島賢氏による「チバ・シティの現在 ポスト・サイバーパンク」でございます。 ご存知の方には野暮な事柄でございましょう…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇早川書房Amazon「SFが読みたい! 2008年度版」をあちこちつまみ食い的に読み進めているわけですが、その中に「SF最新スタンダード200徹底紹介」というコーナーがございまして。「この…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇早川書房Amazon最近忙しくてブログの方が更新できなかった・久々に趣味のSFの話題でも。 上記「SFが読みたい! 2008年度版」ようやく数日前に購入。細かいところはおいおいチェックしていくとして…
いや、ちょっとはチェックしておかなきゃと思って、「このミステリーがすごい! 2008年版」をパラパラと見てたんですよ。 そしたら、61ページで、谷甲州が航空宇宙軍史の全面改稿に着手すると書いてあった。へー。 なんだとっ!! マジか? 本当に本当か? …
時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)作者:小川 一水早川書房Amazon中々時間が取れなかったのだけれど、読み始めたら一気に読了。 このような傑作が単行本ではなく文庫書き下ろしで刊行されるとは、なんとも贅沢な時代になったものだ。 小川一水がこれまで発表してきた…
DS文学全集任天堂Amazonさて、DS文学全集にはランキング機能というのがありまして、Wi-fiでその時の全国のランキングをダウンロードして読書の指針に出来るですよ。 さっそくダウンロードしてみましたとも。 このランキングはその性質上、刻一刻と変化してい…
ライトノベルとサイバーパンクは似たようなものだと思っていたのだけれど違うのだろうか。誰か私に手取り足取り教えてくれる優しいエロい人はいないだろうか。えーと、24歳から35歳くらいの、女性の方が良いです。 雲上四季 - 極めて個人的なライトノベルの…
夏のあらし! 1 (ガンガンWINGコミックス)作者:小林 尽スクウェア・エニックスAmazon夏のあらし! 2 (ガンガンWINGコミックス)作者:小林 尽スクウェア・エニックスAmazonあ、2巻出たんだと思って、軽い気持ちで購入して、軽い気持ちで読んでみた。 1巻を読んだ…
観て来ましたよ、新しいエヴァンゲリオン。 私の世代は、エヴァンゲリオンに期待なんかしてはいけないということを学習したはずなのに。 見終わってみると、ついつい期待してしまう。ああ、なんて馬鹿なんだろう。きっとまた裏切られるに違いないと頭ではわ…
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon「虐殺器官」は骨太なエンターテイメントSFで、本年度の喜ぶべき収穫。 色んな要素を消化して楽しませてくれるんだけどさ、色んな人の感想や惹き文句を見てみると、言語学への言…
最後から二番目の真実 (創元SF文庫)作者:フィリップ・K. ディック東京創元社Amazon待望の復刊。 というか、ディックの本だったらなんであろうと私にとっては「待望」なんだが。 敬愛する作家であるディックについては冷静に語ることが中々できないので、この…
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon幻詩狩り (創元SF文庫)作者:川又 千秋東京創元社Amazonジェノサイドの丘(上) ルワンダ虐殺の隠された真実 [ フィリップ・ゴーレイヴィッチ ]価格: 1760 円楽天で詳細を見るジ…
Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房Amazon Self-Reference ENGINEの感想をいくつか集めてみたんだけれど(万来堂日記2nd - Self-Reference ENGINEの感想を集めてみたよ。)、その中でも、様々な作家を引き合い…
Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者:円城 塔早川書房AmazonSelf-Reference ENGINEの感想をいくつか集めてみた。 これらの感想の中でどのような作家が挙げられているかもまとめてみたので、そちらもよろしければご参照ください。…