万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

ふたりジャネット

テリー・ビッスンの短編集「ふたりジャネット」(河出書房新社奇想コレクション)を今読んでいるんだけれど、これがいい。
雑誌で訳出されたときに読んでいる作品も多いのだけれど、再読に耐え得るどころの話じゃない。
洒脱で暖かみがあり、それでいて抑制の効いた文章を読んでいるだけで顔がニヤニヤしてくる。
とんでもない発想の物語が多いのだけれど(もしもイギリスが海の上を移動し始めたら、とかね)、突拍子もない物語を読んでいるという感じがしない。むしろ、なんて事のない日常生活を、非常に生き生きと描いているかのような印象を受ける。筆力のなせる技だろうか。
ページはまだ半分以上残っている。そのことがとても嬉しい。

ここ二、三年、河出書房は渋いSFやファンタジーを意欲的に翻訳してくれている。ファンとしては嬉しい限りだ。

ビッスン「ふたりジャネット」についてのコメントを本館にも書きました。よろしかったらそちらもお願いします。