万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

新古書店で溜まる本

ええ、年末年始と申しますと大掃除の時期でございまして、ある人にとって大事なものでも他人から見るとゴミ同然という場合もよくあることでございます。
本やCDなんていうのもそんな中に入りがちでございまして「ちょっとあんた、そこに積んである本、邪魔だから捨てなさいよ」ってなやり取りがあるんでしょう。また、ベッドの下のエロ本を不用意にゴミに出したりした日には身の破滅につながってしまうといったこともございましょう。新古書店に大量の買取が持ち込まれる時期でもあるのでございます。
ひどいときにはもう店内ディズニーランド状態でございまして、「はーい買取のお客様、こちら最後尾、1時間待ちになりまーす」ってなぐあいで、まあ待っていただくお客様には申し訳ないんですが、こちらの処理能力にも限度がある。かくして、一日中買取を続け、倉庫は商品で溢れかえるわけでございます。


新古書店というのは委託販売の新刊書店とは大分違いまして、基本的には(状態が悪くない限り)来る物は拒まず、という商売でございます。まあ、中にはどんなに綺麗でも買い取りできない商品もございますが……いや、96年発行の着メロの本や、80年代の旅行のハンドブックとか持ち込まれても困ってしまうわけでございまして。いや、来月旅行に行こうって言うときに、10年前の「地球の歩き方」買わないでしょ? 止めはいたしませんが。
まあそれはともかく、積極的に仕入をコントロールできるわけではございませんから、需要と供給にズレが生じるわけでございます。そんな中で、あまり売れないのに買い取りは多く溜まる一方、なんていう本も出てきたりいたしますな。


例えば「名探偵コナン」。読んだこともありますし嫌いじゃないんですが、いかんせん、売れる数に比べて持ち込みの数が多すぎる。そうすると自然と買取価格も安くなるわけでございますが。
他には「犬夜叉」なんてのも溜まって仕方がない本でございますな。高橋留美子先生は同郷ですし「めぞん一刻」「うる星やつら」「人魚の森」なんかは私の青春時代を彩った作品なんでありますが、溜まるものは仕方がない。
コミックから離れまして、赤川次郎、西村京太郎なんていうところも、殺人的な量が入ってくる御本でございます。「リング」「らせん」なんてところも、そういった傾向がございますな。あとは旬を過ぎてしまった本。「五体不満足」やら「だからあなたも生き抜いて」やら「ファイト」やら。
もちろん、本の内容が劣っているとか、そういったことではないんでしょうが、需要と供給のバランスの問題でございます。
また、買取の量はさほど多くないけれど、今となっては売れる量が少なく、結果として溜まっていくなんていう本もございまして、例えば銀色夏生さんの本なんかはそういったイメージがありますな。あとは恋愛のHow toもの。というか秋元康柴門ふみ。これなんかも棚の肥やしとなっております。


そうするってえと店としては安売りをしたり、仕入値(買取値)を下げたりってなことをして何とかしようとするわけでございますが、新刊書店ではこれが出来ない。
隣の芝生はなんてことを昔から申しまして、売れる本を注文できるというのは本当に羨ましく塀の向こうから芝生を覗いているんですが、過剰在庫の処理方法というのは本当に不思議でございます。
いや、返品して倉庫にたまり、溜まりすぎると断裁ってな話は聞くんですが、これが本当に不思議でございまして。小売の感覚といたしましては「棄てるくらいなら安くして、少しでも売上に変えたほうが得」ってな風に考えてしまうのでございます。
素人考えなんでございましょうが、せっかく一度は市場に出した(もしくは出すべく用意した)商品を棄てるというのは、倉庫代から運送代から材料代、人件費まで、結構な勢いで流通のムダが出てしまっているように思えてしまうんですな。
買い切りの(返品できない)ハリーポッターが本屋で余ったなんてな話を小耳に挟んだことがございましたが、返すことも値下することも出来ない過剰在庫なんていうものは、これは悪夢以外の何物でもないのでございまして……そうなると行く先はゴミの山。本で御殿が建ったというから行ってみたら紙製の家が建っていたってな具合でございます。
さて、再販制度で値下できないと、在庫の面から見てみるとえらい損してるかもよというお話でございました。
お後がよろしいようで……