前々からぼんやりと考えていたことを、ぼんやりとしたまま文章にしてみよう。
もしかしたら電子出版が普及しない理由って、プラットフォームの開発が盛んになされるには小さすぎる市場規模が原因なのではなかろうか。
音楽はiPODが出てきたし、携帯電話も進化した。
軽い。便利。わーお(私には今のところ縁がないけど)。
映画はパソコンがそのまま対応できる。
落としたその場で再生。わーお。
本は?
元々、本というのはかなり優れている。
持ち歩きに便利。ページをめくるのも実にすばやく実行することができる。書き込んだり栞を挟んだり付箋を貼ったりすることで、自分にとっての要注目箇所を簡単に明示することができる。
長い長い年月をかけて洗練されてきた「本」という形に比肩し得るデジタル機器を開発するというのは、大変なことに違いない。
大変なことには違いないのだけれど、不可能ということもあるまいと思うわけで。
その難事業に対して、各社こぞって激烈な開発競争が繰り広げられて
いない。
いないよね? 多分。
やっぱり、市場規模が小さいからだろうなぁと思ったりする。
ケータイ小説も流行っているけれど、私にとっては本よりもやはり不便。
携帯できて、目に優しくて、読みやすくて、すばやく参照できる。
金と手間さえかければ、いつかは必ず登場してくるものだと思うのだけれど、金と手間かぁ。まるで宇宙開発みたいだ。
市場規模が充分には大きくなかったが故にプラットフォームの開発が遅れ、必然的にコンテンツのデジタル化が遅れ、気がつけば業界間で大きな格差が生まれていた、何てことになったら嫌だねぇ。