個人的なアーカイブがつくりにくい世の中
個人的なことなんですけどね。実は、テレビのない生活というのを送ってました。
これはこれで別に不便なこともつまらないこともないのだけれど、パソコンを買いなおしましたら、それがたまたまチューナー内蔵の機種だったもので、気になる番組を録画して視聴したりするようになったわけです。Windows Media Centerとかいうヤツでもって。
それが、こないだ突然今まで録画した番組が見れなくなりまして。「コピー禁止」とか画面に表示されるばかりで。
検索してみたら、その日の朝にWindowsをアップデートしたのが原因らしくてですね。
更新したせいでファイルやらファイルの紐付けやらが変わって、録画したものとは違うPCとして認識されちゃってるらしいんですね。
で、バックアップから復元したりなんやかんやしている間に録画してあった番組は見れるようになったんですが、今度は今放送中の番組が見れなくなりまして。やはり画面には「コピー禁止」と出る。うーむ。
で、そうこうしている間に「輪るピングドラム」の録画が開始になり、まあ、これは見れないわけです。
あきらめてパソコンの電源落として就寝し、起きてまた起動してみたら、今度は放送中の番組も見れるし、今まで録画した番組も見れるし、試しに録画してみた番組も見れるけれども、「輪るピングドラム」は見れないままでした。
私個人にとってはこの話はこれでおしまい。PCの録画ってのは、案外信用ならないなぁってな教訓を得て終了なんですが。
これを回避しようと思ったら、まあ、録画した番組はこまめにブルーレイに書き込んで取っておくように、と。おお、めんどくさい。
そうなんです。めんどくさい。
これね、「好きだから集めていたら、いつのまにかそれなりの量がたまっちゃった」ってな形での個人的なコレクション、個人的なアーカイブが構築しにくいシステムである、という事なんだなぁ、と。
利用可能な状態で残しておくためには、残すためのひと手間が必要になるわけですね。私なんかは極度なめんどくさがりですから、くじけるタイプですわ。
考えているうちに、これ、ボディーブローのように効いてくるような気がしてきまして。
似たようなことを以前電子書籍について考えて、それをこのブログに書いたこともあります。その時に今や過去の遺物となったCCCDについても脳裏に浮かばなかったわけではありません。例えば、ライムスター、好きなのですけど、彼らのアルバム「グレイゾーン」は傑作なんですが、CCCDでリリースされまして*1。これをiTunesに放り込んでしまおうとしたら、一番簡単な方法はなんじゃらほいというと、後に「CD」として再発された「グレイゾーン」を買うのが一番手っ取り早いかもしれないという。まあ、買いなおしたんですけどね、「CD」で。
DRMに関するサポートが商業的な理由で打ち切られて利用しにくくなるというのがCCCDの例ですが、地上デジタル放送のDRMとWindowsのアップデートが関連するとなると、これはもう、「溜めてあったものが使いものにならなくなる」頻度が格段に上がることを意味しねえかな、と。
DVDやブルーレイソフト、もしくはネット配信なども一時期に比べると格段に多くなってますから、録画したけれど見れなくなった番組をそれらの手段でリカバーすることもできるでしょうが、これって逆に考えるとね、そういった手段が存在しないコンテンツに関しては非常に厳しいわけで*2。
「たまたま残っていた」から「残そうと思わないと残らない」世の中への切り替わりというのを歓迎すべきかというと、どうにも不安だったりするのであります、はい。