2日目同様、ABCホールへ。2日目は遅刻してしまったけれど、今日は無事到着。開演前、ロビーに生喬さん、右喬さん、遊喬さんの姿あり。一門総出の大イベント感。
笑福亭生喬……つる
笑福亭竹林……堪忍袋
笑福亭松喬……首提灯
笑福亭松枝……寝床
中入
対談(三喬、生喬)
笑福亭松喬……帯久
生喬さんの「つる」表情豊かで、現在ではわかりにくくなっているようなところを変えてあったり*1。とても面白かった。
竹林さん、以前大美落語会で見た「近日息子」みたく、ボルテージがどんどん上がっていく「堪忍袋」を半ばまで。機会があったら是非最後まで聞きたい。
先日テレビでやった「上燗屋」も見たけれど、「首提灯」はリラックスして聞いてた。なんというか、安心して笑っていた感じ。
松枝さんの「寝床」が変化球的な面白さ。奇をてらっているわけではないのだけれど、場面の選び方が非常に独特というか。最初の、町内の連中の言い訳を述べる場面を丸々カットし、町内の連中は浄瑠璃の会場へ来るところで初登場。旦那さんが気を取り直す場面も非常にあっさり処理。そのかわり、座敷に上がった町内の連中のやりとりはたっぷり。サゲまで行かなかったので「寝床」ではなくて「素人浄瑠璃」とここでも書くべきかも。随分省略されていて、サゲまで行かない、という、欲求不満がたまりそうな感じなのに、とても面白かった。すごいすごい。また、「どん」とした感じの松喬さんと、痩身で「しゃなり」とした感じの松枝さん、好対照でそこもまた面白く感じた。松枝さん、もっと意識して聞くようにしなきゃだわ。
対談後、「帯久」。十年前と十年後の対比のさせ方がすごいというか。音源では米朝師匠のもとと志の輔さんのもの、生では団朝さんの高座を聞いたけれど、十年前と十年後が対になった場面であり、そこでの対応の違いが人物像の違いをくっきり浮かび上がらせる、ということがとても明瞭に感じられた高座だった。
涙を搾り取るような高座ではないのだけれど、対比のあまりの鮮やかさにはっとさせられた。そうか。帯久って、こういう話だったのか。