家の店の近くに大学がありまして、大学専用マンションってのがあるんですな。運営に生協が噛んでいるらしく、7階建ての豪奢な作りでして。
そこに出張買取に行ったんですが。セキュリティもしっかりしていて、内側からロックを開けてもらわないと入れないような、そういうマンションなわけです。
で、一階にトイレがありまして、そこを借りたんですが、ちょっと変わってまして。
普通公衆トイレといいますと、男性の小便器と大便器があるときには、大便器の周りが囲われて、個室のようになっていますよね？
その囲いがなかったのです。部屋の中には小便器がひとつと大便器がひとつ。
変わったトイレもあるものだと思いながら、買取を済ませて店に戻ったんでありますが…
変です。やはり変です。
あれは公衆トイレの構造ではありません。寧ろ部屋の中のトイレのような…実際、古い民家なんぞに行きますと、小便器と大便器があったりすること、ありますしね。
あ、そうか。
きっとあれは公衆トイレではなく、住人用の共同トイレなのです。
他の階にはないようでしたから、7階建てのマンションの全住民が、あのトイレを共同で使用しているに違いありません
トイレが共同ということは絶対に風呂も共同でしょう
あの豪奢なマンションの中にはその豪奢さにふさわしい、豪奢な共同浴場があるにちがいありません
これですべてのつじつまが合います。いや、すっきりした。
いや、これで間違いないんですって。
なぜかというと、学生マンションの学生ごときが、割と辛酸をなめている系の社会人である私よりいい生活をしているなど倫理的に許されないからです
いや、実に明快です。
明快なあまりに、涙が溢れて止まりません。助けて、神様。
