万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

壮大さ

ニック・レーンを読もうぜ/細胞内から40億年を眺める

さて、結構時間がかかってしまったのだけれど、今日、「ミトコンドリアが進化を決めた」を読み終わりまして、これで邦訳されているニック・レーンの本は三冊とも読んだことになります。 「生と死の自然史」「ミトコンドリアが進化を決めた」が各論で、「生命…

「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で)

「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日本のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった…

「地球46億年全史」は楽しい岩石列伝

地球46億年全史作者:リチャード・フォーティ草思社Amazon同じフォーティの「生命40億年全史」は、生命の進化をそれぞれの種の来歴としてではなく、その時代にどのような風景が広がっていたかとしてスナップショット的に捉えた面白い本だった。てえとジュラ…

「時砂の王」は、新しい小川一水の幕開けであるかもしれない

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)作者:小川 一水早川書房Amazon中々時間が取れなかったのだけれど、読み始めたら一気に読了。 このような傑作が単行本ではなく文庫書き下ろしで刊行されるとは、なんとも贅沢な時代になったものだ。 小川一水がこれまで発表してきた…

沈黙のフライバイと、ハードSFの持つ「地味」さ

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)作者:野尻 抱介早川書房Amazon[SF][サイエンス][詩情] 「沈黙のフライバイ」 SFの中でもハードサイエンスにこだわって作られたものをハードSFと呼んだりする。 で、科学的に厳密であるが故に、その作品は壮大なビジョンを…

ドーキンス「祖先の物語」を読み終わった。

祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上作者:リチャード・ドーキンス小学館Amazon祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 下作者:リチャード・ドーキンス小学館Amazonなんと野心的な試みだろうか。 生命の誕生から現在までを描き出そうと言うだけでも野心的な試みであ…

眼の誕生

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く作者:アンドリュー・パーカー草思社Amazonこちらはカンブリア紀の大爆発を扱った本。とはいえ、カンブリア紀の化石のことばかり書いているわけではなく、今も生きている生物の例を多く取り上げ、自説をわかりやすく展…

生命40億年全史

最近進化についての本や生物に関しての本ばかり読んでいる。生命40億年全史作者:リチャード フォーティ草思社Amazon生命のそもそもの誕生から、原生人類の誕生に至るまでの約40億年における生命の進化をなぞったいい本。まるで、大学の教養の講義を聴いて…