万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

2010-01-01から1年間の記事一覧

落語を聞きながら残業をする日々

毎年12月は仕事が忙しくて半端ないわけです。あと、7月・8月とか、GW前とか、年度末とか。 深夜に残業しながら、音楽を聴いたりラジオ聞いたりラジオCD聞いたりしてきたんですよ。で、最近発見したんですが、落語を聞きながら残業すると大変に具合が…

「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で)

「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日本のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった…

俺みたいな文系素人が進化論を面白がるための約20冊

私はどこからどう見ても文系でサイエンス的な素養は全くなく、数学大嫌いな人間なんですが、進化論についての一般向けの本を読むのは大好きでして。 そんな私が面白がってきた本を並べてみたら、私みたいに面白がりたい人へのブックガイドにならないかな、な…

失踪について

ここは私個人のブログであるので、誰も私の自分語りを止めることはできない。 失踪について書こうと思う。 失踪騒ぎを起こしたことがある。20代の半ばを過ぎた頃だ。 結局4日程度で家に戻ったので、失踪「騒ぎ」という言葉が、本当に似つかわしい。 まず…

本当に怖いGALLOWS BELL

いや、少し前にアップされた曲になるのですが、このGALLOWS BELLという曲、大好きでしてね。 爽やかで軽快な曲にこの歌詞が乗っかっちゃうあたり、もうたまらないのですが。 気になる歌詞はこちらからどうぞ。 作者のbuzzG氏もブログにて、自分自身歌詞をメ…

「天冥の標3 アウレーリア一統」の間違ったあらすじ

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)作者:小川 一水早川書房Amazonというわけで、「男の娘は戦艦館長!? 3 天冥の標」を読了しました。 僕はサー・アダムス・アウレーリア。よく間違われるけど、歴とした男性。 世に名高い宇宙戦艦エスレルの少…

「虐殺器官」の次にはどんな本を読んだらいいだろう?

夏になるとなぜか出版社や書評サイトが活発化するわけでして、色んな人が色んな切り口でオススメ本を推薦してくれます。 この「虐殺器官」は話題作ですし、やたら面白いですので、オススメの本として上げる人も少なくないのではないかと思います。 このエン…

「生命進化の物語」がとても面白い本だったのですよ。

生命進化の物語作者:リチャード サウスウッド八坂書房Amazonリチャード・サウスウッドの「生命進化の物語」を読みました。 最初の生命から現在まで生命がたどった進化の歴史を概観する本で、同趣向の本としてはドーキンスの「祖先の物語」やフォーティの「生…

電子書籍・電子積読・20年前のファイル・電子貸本や電子図書館

昨日からつらつら考えていることがあって、まだまとまっていないのですが、書き出してみようかと思います。まず、我が家には購入したものの未読のまま積んである「積読」という奴が、かなりあります。多分1000冊以上。 多分、実家にはもっとあります。 良い…

みんなでお勉強 その4:旅烏さん、三十半ばにして性に目覚める

非実在青少年関連の話題に興味を持って、今までメディアと人間の関係に関する心理学寄りの本を3冊ほど読んできたわけですが、いや、その次に何を読んだらいいのか、ちょっと迷ってしまいまして。 いざ探してみるとですね、そういったエビデンスベースでメデ…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。じゃあ結局どんなの読めるんだ編

というわけで、hon.jpで星雲賞受賞長編を検索してみて、暗澹たる思いになっているところに、id:copyrightさんから「いや、電子文庫パブリであるぜ、ベイビー」という趣旨のご指摘が。 なんでhon.jpを使って検索したかと言うと、ケータイ(いわゆるガラケーっ…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞海外SF長編部門編。

前のエントリで、星雲賞を受賞した日本のSF小説がどのくらい電子書籍化されているのか、極々簡単に調べてみたわけですけれども、同じことを海外SF長編でもやってみよう、と、そういった次第でございます。 とはいえ、まあ、予想どおりでございますな。 受賞…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞日本SF長編部門編。

なんか、世は電子書籍元年だか電子書籍リーダー元年だかで大騒ぎだそうでございまして。 まあ、今まで購入した紙の書籍を死ぬまでに全部読了出来るかといいますと、そんなん無理に決まっているので、縁がないといえば縁がない話なんでございますが。 それは…

多様化する電子書籍、というか、多様化してほしい電子書籍

ヨタ話みたいなもんなんですが、少し前から思っていたことがあって、備忘録がわりに書きつけておこうかと思いましてね。 「電子書籍」と聞いて連想するのが今のところなんなのかと言うと、まあぶっちゃけ、テキストが詰まったファイルじゃないすか。青空文庫…

『魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」』があまりに、あまりに面白かったのですよ。

最近、読書量が減ってしまってなあ。歳なのかね? 体力の問題なのかね? いや、最近の本がつまらなくなったなんていうことはないんだよ。だって、むしろ読む本読む本素直に楽しめているし。 たしかに、ここ数年、小説以外の本を読むことが多くなってね、いや…

【ネタバレ】「第9地区」をようやく観ました/ヨハネスブルグからの不敵な挑戦状

話題の映画「第9地区」をようやく観ました。 いやー、なんですか、このひねくれた映画は(笑)。何とも言えない居心地の悪い後味がなんとも。観てよかったです。 以下、ネタバレをはさみつつ感想を書こうと思いますので、まだ観ていないと言う方はご注意くだ…

「この本を読んだ人はこの本も読んで欲しいと思っています」というウェブサービスないかなぁ?

「この本を読んだ人はこの本も読んで欲しいと思っています」というオススメを挙げてくれるサービスってないものですかねぇ? 現在、使う上でそれに一番近いのがAmazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という、つまり売上データを元にした…

みんなでお勉強 その3:旅烏さん、「メディアと人間の発達」が横書きであることに恐れおののく

主にテレビで放送される暴力的な場面の影響についての研究をまとめた「メディアと暴力」([asin:4326601108])、アメリカで行われたテレビゲームに関する調査についてまとめた「ゲームと犯罪と子どもたち」([asin:4844327089])と読んできまして、今回、読…

本屋の歩き方「本屋ナビ」vs Googleマップ「(地名) 本屋」

夜中に起きてしまったので、「本屋の歩き方」の本屋ナビと、GoogleMAPを使い比べてみた。 「本屋の歩き方」というのは、凸版印刷が始めたプロジェクト。要は本屋や読書を盛りあげよう、というもので。ニュースリリースはこちら。 凸版印刷|ニュースリリース…

猥雑な交通事故の規制について

無軌道な交通事故の増加が問題になっています。 ニュースでは毎日のように残虐な交通事故が報道されています。年々増えて行く若者による交通事故の増加は社会全体で取り組むべき由々しき問題です。(参考) これは日本だけのことではなく、世界中で問題にな…

みんなでお勉強 その2:旅烏さん、「ゲームと犯罪と子どもたち」の原題にシビれる

先日、「メディアと暴力」([asin:4326601108])という本を読みました。この本は96年の刊行で、テレビについての研究が中心です。言い換えると、ゲームもネットも視野に入っているとは言い難く、少し古いわけですが、テレビの影響について積み重ねられた研…

みんなでお勉強 その1:旅烏さん、「メディアと暴力」という本を読む

メディアと暴力作者:佐々木 輝美勁草書房Amazon「メディアと暴力」という本を読みました。主に風呂で。 96年に刊行され、主にテレビの影響についての研究を紹介し、論じた本です。 200ページ弱とコンパクトにまとめられ、また、文章も平易で、大変に面…

みんなでお勉強 その0:旅烏さん、勉強を始める

皆様ご存知のとおり、東京都の青少年健全育成条例改正案が、ネットで大騒ぎになっておりましたね。 全くご存知でないと言う方も少ないでしょうが、念のためにリンクを貼っておきましょう。東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト実は、最近ちょっと…

私が「本屋をLANのホットスポットやすれ違い通信スポットに」という提言に素直に感心できない理由

第23回 緊急提言「本屋をLANのホットスポットやすれ違いスポットに」 | ポット出版これをその提言の通りやっても失敗するだろうなあ、と思います。 なぜかというと、本屋にこれらの設備があるよりも、本屋以外にこれらの設備があった方が便利じゃないかと思…

浅倉久志氏が亡くなられた。自分がどんな本を読んできたのか振り返ってみよう。

2月14日に浅倉久志氏が亡くなられたそうである。死因は心不全とのこと。79歳。浅倉久志氏を讃えたり惜しんだり分析したりする文章が少なくない数、ネットにアップされたり雑誌に載ったりするに違いない。なにせ、この人の翻訳がなかったら、SFというカ…

紙の本が電子書籍に勝っているところ/とはいえ、実はあまり重要ではない気もする

ぼんやりとした頭で、紙の書籍というのが電子書籍に勝っているところってなにかなぁなどと考えておりまして・書き込みできる・付箋を貼れる・風呂で読める・売却できる・サイン会イベントとかできる・宣伝のノウハウについては電子書籍に比べればまだマシ・…

「アリの背中に乗った甲虫を探して」がやたら面白かったのです

アリの背中に乗った甲虫を探して―未知の生物に憑かれた科学者たち作者:ロブ ダンウェッジAmazonいや、この本がめちゃめちゃ面白かったのですよ。だもんで宣伝します。この本では「生物界における人間の存在が思った以上に小さい」「われわれが生物界の中心で…

松丸本舗を見物してきました

何かと話題の松丸本舗を見物してきました。松丸本舗とは何かご存じない方はこちらあたりをどうぞ。松丸本舗丸善の丸の内店の中にオープンした店舗、ですね。地方民としては期待半分やっかみ半分でみていたのですが、奇跡的にまとまった休みが取れましたもの…

家具屋に本屋を売る/読書が趣味だなんて、この変態どもめ

今から本についてなにやら書こうというのだが、いまだに明確に考えがまとまっているわけではない。 今後も、私の考えは二転三転するだろう。 また、これから書くことは多分間違えている。とても自信がない。 しかし、他人の間違いから誰かがいい考えを引き出…

「服従実験とはなんだったのか」を読んで、そこから芋蔓的に

服従実験とは何だったのか―スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産作者:トーマス・ブラス誠信書房Amazon去年最後に読了した活字の本がこの「服従実験とは何だったのか」。服従実験、またはアイヒマン実験などとも呼ばれる権威への服従研究で有名なスタンレー・…