万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

ファンタジー

【ネタバレあり】「君の名は。」の感想。/1200×2/荒唐無稽なファンタジー

「君の名は。」2回見て来ました。実は3回目のチケットも予約してまして、開場までの待ち時間にスマホをポチポチいじって、この文章を書いております。 これから「君の名は。」の感想を書こうと思います。ネタバレしますので、まだ見ていない方は注意してくだ…

「クレヨンしんちゃん爆睡!ユメミーワールド大突撃」を3回観てきたので、かなりテンション高めに感想書くよ!

映画クレヨンしんちゃん爆睡! ユメミーワールド大突撃、計3回観てきました。 私の中では不動の傑作の地位を確かにしましたですね。私の乏しい映画やアニメの観賞経験の中ではありますが、子供に向けたメッセージが込められた作品としては、その力強さにお…

ケン・リュウ「紙の動物園」/分断と断絶/せめて慰めくらいは

話題作、ケン・リュウ「紙の動物園」をようやく読了した。素晴らしい出来。テーマが重い作品も多く、NHKの「映像の世紀」を見た時のようなシリアスな読後感。 おそらく、それは史実や戦争、紛争、社会問題を扱った作品が多いことにも起因しているだろう。そ…

須藤真澄「グッデイ」/史上最強の「ファンタジー」

誰しも生きていくにはファンタジーが必要だ。現実だけでは生きていけない。 ほんのひとかけらのファンタジーを支えに、私たちは今日も生きている。 「グッデイ」は長年、良質のファンタジーやエッセイマンガを描き続けてきた須藤真澄の最新刊だ。 帯に粗筋が…

須藤真澄「金魚草の池」/それは決して鎮魂などではなく

須藤真澄「金魚草の池」を少し前に読んだ。つーかね、過去作の再録短編集だと思い込んでて、ノーチェックだったのよ。 須藤真澄つったら、コミカルで美しいファンタジーの書き手であり、仏教の影響色濃い死生観が作品に反映され、でも基本的にポジティブ。物…

「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で)

「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日本のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった…

「遥かよりくる飛行船」バブリーな香り漂う実に奇妙な本

[asin:4652073054:detail]長いこと積んであった本をこの度めでたく読了。 変だ! この本、変な本だ! パンゲアやら地層やら化石やらといった単語が飛び交う架空の世界で繰り広げられるのは、なんとバブルの香り漂うOLのラブストーリー。 実家と仲が悪いヒ…

勝手にSFだけでハヤカワ文庫100冊 その7 ツンデレファンタジア(47〜51)

80年代初頭に、グレゴリイ・ベンフォードあたりが筆頭になってファンタジー汚染論なるものが唱えられたことがある。簡単にまとめると 「なんか最近、舞台を『遠い未来の他の惑星』に置き換えただけのサイエンスファンタジーばっかし幅きかせやがって。俺ら…

ひょっとして「夏のあらし!」はすごいかもしれない

夏のあらし! 1 (ガンガンWINGコミックス)作者:小林 尽スクウェア・エニックスAmazon夏のあらし! 2 (ガンガンWINGコミックス)作者:小林 尽スクウェア・エニックスAmazonあ、2巻出たんだと思って、軽い気持ちで購入して、軽い気持ちで読んでみた。 1巻を読んだ…

「星新一 一〇〇一話をつくった人」

星新一 一〇〇一話をつくった人作者:最相 葉月新潮社Amazon「星新一 一〇〇一話をつくった人」(最相葉月/新潮社)ようやく読了。 すばらしい本だ。星雲賞は多分取ると思うけれど、日本SF大賞も取るべきだ。 SFファンが読んだら面白いのはもちろんである。…

グラン・ヴァカンス/ラギッド・ガール/「廃園の天使」はガチの心理学SFであった!

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)作者:飛 浩隆早川書房Amazonラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)作者:飛 浩隆早川書房Amazon積読というのは罪深いものだ。とりあえずの所有欲は満足させることができ…

「夜は短し歩けよ乙女」はマジックリアリズムの傑作である

夜は短し歩けよ乙女作者:森見 登美彦KADOKAWAAmazon話題作ようやく読了。 これはいいねー!! 文章を読んでいるだけで面白いし。 ヒロイン、最強に萌えるし。 登場人物たちが遭遇する日常を描いているのだけれど、その日常というのが私たちの目から見るとな…

ゆきのはなふる

ゆきのはなふる作者:わかつき めぐみ白泉社Amazonわかつきめぐみの待望の新刊。 山の主たちの人間模様(?)を描いた連作。なんと最初の作品が書かれたのは平成2年。16年かけて完結したことになる。 つーか、最初の何篇か、学生時代に読んだ覚えがあるわ…

されど罪人は竜と踊る

されど罪人は竜と踊る Assault (角川スニーカー文庫)作者:浅井 ラボ角川書店Amazon読了。本を購入する量に読書量が追いつかなくなって既に10年以上。実家の物置は私の未読本で溢れかえり、このアパートにもCDと本あわせてダンボール30箱以上ある。必然…