「なんでそんなに足が足りないんですか?」
ずいぶんとご挨拶だな、おい。
俺が足を組んでいる光景が、そんなに珍しいか?
珍しいんなら、是非世界遺産にでも登録してくれ、拝観料とるから。
「無理です。しかし、普通もっと足が余るというか、余裕があるでしょう。こんな感じで」
おうおう、俺の前で、んな風にかっこよさげに足を組んで、どういうつもりだ。俺を威嚇してもなにもでねえぞ。
「何でこれが威嚇になるんですか。いや、普通旅烏さん見たいにギッチギチに、苦しそうな形にならないでしょう?」
俺にはこれが普通なんだが。生まれてこの方、こんな感じだ。
……で、何が言いたいのだ?
「いや、なんというか……ちょっと比べて見ません?」
何を?
「足を」
い、いいけどさ……
ほら、大体同じくらいじゃんか。
「身長…」
……ああ、確かに俺のほうが君より6センチほど背が高いが、それがどうした?
大体、君とは足の太さが違うのだ。鍛え抜かれた私の腿と、君の男子にあるまじき細っこい棒切れのごとき腿とは比べ物にはって、触るんじゃねえ!!
「……たぷたぷしてますけど」
……な、何が言いたい?
「短足?」
あ、お疲れさんです。
え、何をしているかって? いや、見たとおりですよ。
見てのとおり、私はこいつにドラゴンスリーパーをかけているのです。