数年前に音楽シーンを追うのはもうあきらめてしまっていて、最近は試聴で気に入ったCDを月に数枚買う程度になっているんだけれども。たまたまJAMNUTSのCDを買ったのよ。
大型ジャム集団であるところのJAMNUTSによるカバーアルバム、だそうなんだけれど。
いやね、どうせまた70年代のソウル・R&Bが中心のカバー集。良くて80年代までなんだろうな。それはそれで嬉しいけど、手堅くてつまんないやね……とか思っていたら、なんと90年代後半からゼロ年代前半中心なのだな。ビックリ。
いよいよあれですか、古狸の連中から空白だとか暗黒だとか言いたい放題言われてきた我が青春の90年代にもスポットが当たりましたですか? わはは、ざまあみさらせ。
イントロ除いて全12曲は以下の通り。カッコの中はオリジナルをやっていたアーティスト名と発表年ね。
Still not a player(Big Punisher feat.Joe /'98)
Hey ya! (Outkast /03)
Got 'til it's gone(Janet Jacson feat. Q-Tip /'97)
Every breath you take (The Police /'83)
Just friends(sunny) (Musiq the soulchild /'01)
Apple tree (Erykah Badu /'97)
I just wanna love u(give it 2 me) (Jay-Z /'01)
Pass the courvoisier (Busta Rhymes /'02)
Joints & Jam(Black Eyed Peas /'98)
Hold me (Brian Macknight /'98)
Devil's pie (D'angelo /'00)
A long walk (Jill Scott /'01)
Got 'til it's goneとかDevil's pieとか鳥肌モノでしたよ。特に後者。DJプレミアが、コード進行が苦手という自身の弱点を逆手にとって作ったほぼベースラインのみの怪作を、よりによってもっと重くしてしまった完璧なカバーだ!
で、BEPはやっぱしこの曲だよな。ブレイクした「エレファンク」も大好きなアルバムだけど、そうだよな、うんうん。
……といった感じで、空白の年代に豊かな収穫を充分に味わいながら成長した我々のツボを突きまくりの傑作。十人が十人、微妙に違う場所のツボを突かれて感涙に咽ぶに違いない。