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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

今年良かったアルバム10枚

音楽

暮れも押し迫ったことだし、今年良かったアルバムを10タイトルほど挙げてみようかと。
気になるアルバムを全部購入できるほどの財力は無いので、チェックしていないアルバムのほうが多いことは言うまでも無い。
では、順不同で10タイトル行きます。


“Afterthought”FAT JON
全編インスト。買う気は無かったんだけれども20秒ほど視聴した後、発作的に購入したアルバム。
 本作、えらく内省的な作りになっていて、個人的にそういったアルバムには気の重くなるものが多い。なんていうか、繰り返して聴くと疲れちゃうというか。例えば、DJ SHADOWの1stアルバムは大傑作であるかとは思うんだけども、繰り返して聴くかというとちょっと躊躇してしまう、みたいな感じ。今回挙げる10タイトルにMOS DEFの“New Danger”が入っていないのはそういった理由による。
 このアルバムには、そういった私を躊躇させるものがなかった。それはなぜかとたずねたら、躍動感溢れるベースとドラムがきっちり縁の下を支えているから。というか、縁の下どころか屋根も外壁もベースとドラムで出来ている。でも、住人は内省的とくらぁ(笑)。


“A Vision and a Plan”PHOCUS
 実に程よくPOPなアルバム。今聞くと一曲目で挿入される故ODBの声ネタが哀歓を誘うなあ。目新しくは無いかもしれないけれども、決して二番煎じではない。MCの基礎体力もお見事。いいよぉ、これ。


“Shaheedullah and Stereotypes”ALI SHAHEED MUHAMMAD
なんのこたあない、ラファエル・サディークとドーン・ロビンソンが抜けたルーシー・パールだ、これ(笑)。
でもルーシー・パールだからなあ、出来は良いんだわ。
ヴォーカルがちょっと無難かなとも思うけども、一聴の価値はあるかと。


“Straight from Underground”NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
 個人的には一曲目に尽きる。でも、他にもいい曲が収録されていたりしまして(知名度から考えると失礼な表現ながら)拾い物のアルバム。とりあえず、S-WORD、DABO、MACCA-CHIN、GORE-TEX、DELIの健在ぶりが確認できてなにより。SUIKENはちょっと物足りなく聴こえた。


“To The 5 Boroughs”BEASTIE BOYS
 何を思ったかオールドスクールへと力強く回帰してしまった不良中年三人組。ちぇッちぇちぇっちぇっちぇっちぇきあう! で、とぅりぷるとらーぶよぉ! なのである。
 歌詞を読むと、パーティーよりも時事問題や政治的な主張が目立ったりもする。
 大真面目にオールドスクールをやるぞというインパクト勝負な一面もあるけれども、それにまんまと引っかかってしまった気分は悪くない。コロンブスの卵的好感。


“Same Girl”TRINA BROUSSARD
“After Hours”RAHSAAN PATTERSON
まとめて扱うような出来ではない素晴らしいアルバム二枚。でもまとめて扱っちゃう。
ソウル・ルネッサンスだかニュー・クラシック・ソウルだかネオ・ソウルだか、それの最新系。
 最新系といってもその性質上、新奇なものはなにもない。いや、それでいいんだ。というか、それがいいのである。
 いや、だってさ、美しい歌声とメロディとしっかりしたリズムがあるんですよ、旦那。それでいいじゃないのさ。


“MADVILLAINY”MADVILLAIN
驚異のワーカホリックであるM.F.DOOMとMAD LIBのユニット。二人とも自分の世界を突っ走るあまりに、時にリスナーを置き去りにしてしまうんだけれども、このアルバムでは二人ともリスナーの方を向いてくれている。“Accordion”、“Raid”を初めとした曲のかっこよさは神がかり的。なんとも居心地の悪いざらついた音がなんとも居心地がいい。こういったトラック、少なくはなったけども、無くなることはないだろうな。つーか、無くなったときにはHIPHOPもなくなるような気もする。


“9th Sense”スチャダラパー
 スチャダラパーが攻撃的になるとこうなるんですよといった感じ。DEV-LARGE、CQとの共演はハズレだったけれども、まあご愛嬌。前作が今ひとつだったのが嘘のような会心の出来。トラックはシンプルで太く、リリックは狙いをしっかりと定めて。変な言い方をすると、シーンを余裕たっぷりでおちょくっているような。


“グレイゾーン”ライムスター
 ライムスターも攻撃的なんだよな(笑)。なんかもう、余裕とか言わないで全弾発射。
 なんつーか、強いぞ。攻撃的なあまりに、酒についての曲まで愚痴になってる(笑)。
 ここまで主旨主張がはっきりとしたアルバムってのも、ライムスターでは初めてではなかろうか。
 惜しむらくは、レーベルゲート2なのよね。傑作なのに。