万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

陸這記 仲俣氏による「書籍に対する信任投票」論

陸這記で仲俣氏が、書籍を購入するという行為を、その書籍に対する信任投票と捉えた上で、新古書店擁護論を展開している。仕事が忙しかったり、今日は熱が出てぶっ倒れていたりで遅くなってしまったけれども、必読。こちらからどうぞ。
この日の陸這記では、他にも書籍にタグをつけることについての分析や考察もなされていたりして、読み応え満点。

ちょっと引用すると

間違ってはいけないが、委託販売で本を売っている新刊書店よりも、自らのリスクで仕入れをしている古書店のほうが、ずっと真っ当な商売なのである。万引きの原因になっているなどといって、新古書店という業態にケチをつけている出版業界は、ゴロツキみたいな因縁を吹っかけていることを恥じるべきだと思う。

委託販売が真っ当な商売ではないなどという気はさらさらないけれども、なぜに委託販売(=返品できる)というシステムが大手を振ってまかり通っているのか、考えてみてもいいかもしれない。委託販売の代償として、低い利率での商売を余儀なくされていたり、取次ぎや出版社の持つ権力が強くなりすぎていたりするといった側面はないか?


もうひとつ、これも頷いてしまったのだけれども

でも浦賀さん、この本(ISBN:4061822470 註:「浦賀和弘殺人事件」のこと)はとても面白かったから、次は新刊で買いますよ!

私は基本的に新古書店の回し者だが、それでも好きな作家の作品は新刊で買うことのほうが圧倒的に多い。やっぱり、敬愛する作家・マンガ家は、少しでも応援したいよね。
あれだよ、最も効果的なロビー活動は、新古書店に対するネガティブキャンペーンじゃないと思うんだ、実は。
好きな作家の作品は新刊書店で買おう! という運動なんだよ。
自分の好きな作家の作品は新刊で買って、自分を楽しませてくれた作者に利益を還元しよう! という、大々的なキャンペーン。
それでいいんじゃないかと思うんだよな。
これって、消費者にとっての著作権意識の、中核をなすべき認識だと思うんだけども、なんか、やれ海賊盤やら中古規制やらと、大切な問題ではあるけどさ、ずれているだろう、と。