ワッハ上方四階上方亭
第二回露の新治寄席
雀太…上燗屋
新治…兵庫船
雀三郎…帯久
中入
新治…井戸の茶碗
橋下市長のグレートリセットとやらで、閉館して巡回展示とやらに切り替わることとなったワッハ上方。小演芸場「上方亭」とも3月いっぱいでお別れ。
露の新治寄席は、次回からトリイホールに移るとのこと。第一回は千朝さん、今回は雀三郎さんときて、なんと次回のゲストは幻の芸人、テントさんだそうだ。正統派→正統派→超異端。わお。
実は新治さん、生で高座を拝見するのはようやく二度目。本当、見たい見たいと思いながらなかなか巡り合えず、昨年末、昼席に出演された時の様子がライブ繁昌亭で配信されたときは、もう家に帰るのが楽しみで仕方なかったのである(しかも同じ昼席に米二さんと三喬さんとか、どれだけ俺得な面子なんだ。夢のような一週間であった)。
会場は満員。入り口の扉を外して廊下までパイプ椅子を並べて、それでも少し足りずに補助の椅子が出る盛況。
開口一番の雀太さんも気になる落語家さんで、機会があればご自身の会に行きたいのだけれどなかなか私の休みが合わない。声が少しかすれ気味だったようだけれど、それでも声の抑揚やよく動く手でなんつーか顔的な意味じゃなくて表情豊か、噺も随所に面白い工夫で楽しかった。
兵庫船、年末に配信で見たネタ。それぞれの人物の演じ分けなんてのは、やっぱり生で見た方がわかりやすい。蒲鉾屋が芝居がかっているのが、また新治さんらしくて楽しい。
で、雀三郎さんの帯久。聞くのは二回目。
ごめんなさい、途中でウトウト。最近落語会の最中で寝ないほうが珍しくなってきたな。
ドラマティックな盛り上げ方をする「帯久」に慣れていて、そういうやり方ではない「帯久」にちょっと単調さを覚えてしまったというのがあるのだけれど、これもこちらの「帯久ってこう言う話だ」というイメージが影響をしている可能性もある。
中入後は井戸の茶碗。まずマクラで養毛剤にどれだけつぎ込んできたかと言う話。これがめちゃめちゃ楽しい。
で、本編。あくまで私が見た限りでは、なので実に狭い物ではあるのだけれど、上方に移植された「井戸の茶碗」の中では屈指の出来なんじゃないだろうか。身分がはっきり分かれた社会において、その社会的身分を超えた交流と、その超えて交流するということに喜びを見出すというあたりは、やはり柳家さん喬さんの「井戸の茶碗」の影響が色濃いのだろうか。でもなんていうか、恐れ入りつつも静かに喜ぶんじゃなくて、喜びを前面に出して伝えるあたりが、上方なのかなぁ? いや、新潟出身なもので、よく分からないけれど(笑)
明るい善良なくず屋、くず屋にもきちんと頭を下げて礼を言う浪人、さわやかで竹を割ったような若侍、どの人物も暗さがなくて、笑いもいっぱい。途中で「たがや」「抜け雀」のパロディを入れるようなサービスもあり、大変に楽しめた。