※このエントリは、夜中の二時の中二病のテンションで書かれています。
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*ハロー、プラネット。
自分の気に入ったものにSFのラベルを貼りたがるってのが、今も昔も嫌われてやまないSFファンの習性だ。
そして残念なことに私はSFファンの腐った奴であるので、この曲にもSFのラベルを貼りたくて仕方がない。
作者のささくれPが楽曲解説にて
ラストの解釈はみなさんにおまかせします◎
自分が伝えたいことはすべて映像に集約させました、、♪
と書いているのを自分に都合よく受け止め、妄想を逞しくすると
私の中で「*ハロー、プラネット。」はこんなストーリーを持っていることになる。
リリックの一番最後はこうなっている。
うまれたばかりの"キミ"に オハヨーハヨー…
この「キミ」というのが、作中で何回か言及される人物(めんどくさいので以下「彼」と呼称する)と同一であるとすると、「うまれたばかり」ってのがどうもピンとこなかったりする。
この直前に、彼からもらった植木鉢から芽が出ている描写がある。だもんで、一番最後の「キミ」ってのがこの芽のことだとする。まあ、確かにうまれたばかりですよ。植物だから、アダムでもイブでもないしな。
冒頭、アンテナを掲げても何も受信できなかったミクは、ポスト(まあ、メールですわな)もどうせ手紙はきていないに違いないと、メールチェックを怠る。
曲の終りの部分の動画で、実はメールが来ていた、もしくは今受信されたことが示される。ミクがメールは来ていないものとして行動したのがポイントなのだろうか。
セカンドヴァースの終わりにて、曲は転調し、描写される世界は劇的な広がりを見せる。
チキュウぼっこのラブに オハヨーハヨー
あさとひるとよるに オハヨーハヨー
ウチュウギンガのリズムに オハヨーハヨー
アダムとイブのあいだに オハヨーハヨー
一気に時空レベルに飛躍するのですな。
ここでついうっかり、私はグレゴリィ・ベンフォードの「タイム・スケープ」を連想してしまった。環境破壊が進んだディストピア的な世界の科学者が、タキオン通信で過去に危機を知らせ、暗い未来を回避しようと苦闘する物語だ。
そういや、ヴォネガットの「タイタンの妖女」で、宇宙を股にかけて伝達されたかけがえのないメッセージの内容はただ一言「ハロー」だけだったっけか。
以上の妄想をまとめると、こんなストーリーが出来上がってしまう。
何らかの大災害によって生物が死滅した世界で、アンドロイドが通信を傍受する作業に従事している。しかし、なんの通信も受信できず早幾年。
とうとう作業に見切りをつけて、アンドロイドは彼女にとってのマスターを探して旅に出る。彼が残して行った植木鉢片手に。
シェルターを後にした彼女が目にしたものとは?
・白骨化した生き物(シーラカンスのシッポ)
・人類の遺物(スフィンクスのなぞなぞの答えは「人間」でしたな)
過酷な環境は彼女にもダメージを蓄積していく。
・自由の女神(猿の惑星を連想しますね)
・凄い暴風雨(「ミズタマダンスのそら」大規模な気候変動が起こっているのでしょうか)
・溶岩流(「マーマレードのだいち」例えば、インドのデカン高原は丸々冷えた溶岩流で出来ており、その規模たるや恐竜絶滅の原因に上げる人も多い程です)
機能停止寸前、彼女はとうとう彼が葬られている地へとたどり着く。
悲しみに暮れる彼女。だが、植木鉢から植物が芽を出していることを見出す。
彼女はそれを見届け、機能を停止する。
一度すべての生命が止まってしまったかに見えた地球で、次の生命の流れはまずこの植物から始まる。厄介なことに性差を持った動物だと、アダムとイブたるつがいが必要なのだが、幸い、この植物にはつがいは必要なかった。
時は流れる。植物は従来動物が占めていたニッチにも進出し、自由に繁栄していく。
さらに時が流れる。
そして時を遡る。
メッセージが彼女のメールボックスに届く。
「ハロー?」