万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

2月2日に落語を聞きに行った記録/「百年目」

音太小屋寄席

弥太郎…狸賽
米二…田楽喰い
ひろば…天災
米二…百年目



ものすごくいい会だった。
弥太郎さんの後の米二さん。絶好調。時事ネタは「阪神キャンプイン~」からはじまる台詞だった。
その次のひろばさん、まくらがめちゃめちゃ楽しい。奥さんの愚痴を並べまくって場内爆笑。でも、別嬪だから別れられない、と(笑)。その楽しい雰囲気で明るい雰囲気の「天災」。師匠であるざこばさんの「天災」は凄みというか悲哀さえ感じさせる変化を遂げているけれど、ひろばさんのものは黒い部分を掘り下げるのではなく、黒い部分を打ち消している感じだろうか。楽しく後味の良い「天災」。
ここまでがものすごく楽しかったので、もうトリはいいものになるに違いないという予感を抱きつつ「百年目」。やっぱりよかった。
「百年目」というと、米朝師匠が一番難しいネタとして挙げたことで有名で。そのせいもあってか、どうも構えて聞いてしまうようなところが正直今まであったんだけれど、これ、きっとそんなネタではないのだな。技術的にものすごく難しいのだろうけれど、聞く側としては軽い気持ちで楽しむ噺なんだろうと思う。楽しさを持続させつつ、柔らかい空気で観客を包んでしまう、淡くてほっこりとした噺。というか、米二さんの「百年目」はそんな気がした。「ここは泣けるところだ!」「ここは笑えるところだ!」みたいな押し出しがない、ゆったりと引き込まれる噺。
ここまで書いて、その空気を小一時間持続させなければいけないのだから、そりゃ、確かに技術的には非常に難しいのだろうなぁ、とか思ってみたり。
今まで生で聞いた「百年目」の中では、この日のものが一番満足できた。