万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

DS文学全集に夢中 その2 電子書籍としてのDSの可能性



さてさて、DS文学全集に夢中なわけですが。
細かい要望はありますが、DS文学全集はかなり使いやすい、読みやすいと思います。
また、作品をDSステーションでダウンロードして追加できるのもいい試みです。また、公式サイトでもアナウンスされているように、既に著作権の保護期間を満了した作品(パブリックドメイン)のみならず、現代の人気作家の作品が配信されるというのも、実に意欲的な試みです。いや、天下の任天堂は強いね。今度本社の前を通ったら拝んでこよう。


もちろん、DSでも先行する読書系ソフトはあったわけですし、さらに先行して電子書籍用端末もあったわけです。このDS文学全集が持つ意義というのは、先駆的なものではなく、むしろそれを一般に広くアピールしたというものだと思います。このインパクトは大きいですよ。
以前にも似たようなことを書いたのですが、やはり電子書籍を読むために専用端末を買うというのは敷居が高い。汎用端末を使って本も読むことが出来るという方向でしか電子書籍は広く普及し得ないと思うんですけれど、そこに、かなりの勢いで普及しているDSが、結構洗練されたインターフェイスをもって登場したわけで。
ただ、これが一時のインパクトで終わる可能性というのも、また大きかったり。そうなると、やはり面白くない。
出版ビジネスは生き残れるのか? - 知ったかぶり週報
知ったかぶり週報でも指摘されている通り、決済の問題というのが大きいでしょうね。
パブリックドメインの作品のみで拡大を続けることも不可能ではないと思いますが、やはり、それを超えた動き、現役作家をも巻き込んだ継続的な動きというのを期待してしまう。そうすると、「作品にお金を払う」ということが可能な方がいいと思うわけで。
誰でも無料で簡単に楽しめるというコンセプトのWi-fiで現役作家が作品を発表するとなると、その報酬、対価は任天堂が作家に払うということになる。そうすると、そのお金はソフトを売った金ということになるだろうからDS文学全集を売り続けるとか、第2弾を出すとか、ビートマニアみたくアペンドディスクみたいな感じで追加データを配信ではなく実体として販売していくとか……ただ、息の長い定番ソフトもあるにせよ、書籍と比べるとゲームソフトの寿命はどうやったって短いですから、継続的な市場を形成するには少々、よろしくないような。まあ、そもそもプラットフォームとしてのDSも、本に比べたらどうしたって寿命は短いんですが(笑)。
そうするとWi-fiでの課金が難しい以上、新たに課金可能なシステムを開発するか、既にある電子書店との提携可能なオプションを用意するか。アドバンス側のスロットにデータを突っ込んで読めるみたいな。
ただ、電子書籍市場のために、DSのビジネスモデルを崩したり変形したりする可能性というと、どうかなぁ。やってほしいけどねぇ。
これだけじゃ足りなくて、もう一押し、必要なんでしょうね。