万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

9月7日と8日に落語を聞きに行った記録/桂鯛蔵「鯛安吉日」/銀瓶・菊之丞ふたり会「銀の花瓶に菊の情」

動楽亭へ。ゲストの米二さんめあてではあるのだが、以前見た鯛蔵さんの「強情灸」の弾けっぷりがすごく楽しかったので期待していた。

動楽亭
鯛安吉日
団治郎…動物園
鯛蔵…桃太郎
米二…くっしゃみ講釈
鯛蔵…船弁慶


少し空いてるかな? とか思ったんだが、開演時にはほぼ満員。
船弁慶、かなり弾けていた。最初から笑いが多かったのだけれど、中だるみも尻すぼみもせず、要所要所で喜六や雀のお松がエキセントリックにも思える様な弾け方をして、飽きさせない。オチを言った後に挨拶をしようと鯛蔵さんが小拍子を叩いたのだけれど、少しの間拍手が治まらず。やっぱり、みんな楽しかったんだねぇ。
以前はこんなに突き抜けたような弾け方の印象は持っていなかった。これからもできるだけ聞きに行きたい。


で、そのままネットカフェで宿泊することも最近は多かったけれど、7日はきっちり家に帰り、8日は繁昌亭夜席へ。


繁昌亭夜席
第5回 銀の花瓶に菊の情 銀瓶・菊之丞ふたり会
喬介…牛ほめ
銀瓶…忘れ物承り所
菊之丞…夢金
中入
菊之丞…死ぬなら今
銀瓶…帯久


喬介さん、相変わらず愛嬌たっぷりで楽しい。なんかやけに、「言い回しが師匠の三喬さんみたいだなー」と思うところ複数。
菊之丞さん、生で拝見するのは初めて。印象に残ったのは、まるで地獄八景みたいな時事ネタのくすぐりがちりばめられた「死ぬなら今」の方だったりして。金を手に入れた赤鬼・青鬼が寄席に行こうと「ぴあ 地獄版」で番組をチェックするあたり。圓生文楽、小さんに志ん生松鶴文枝志ん朝が浅い出番で、談志が来たばかりだからまだ前座、で、「桂米朝 近日来演」のお約束も(笑)。いや、夢金も楽しかったけれども。
でもやっぱり一番はトリの帯久。笑いの少ない噺だけれど、終盤まではさらに笑いを抑えたような流れで。緊張感を持って聞き入る。帯屋を単なる悪人としない掘り下げや、和泉屋がわずかに残っていたプライドを捨てる瞬間、また、それが踏みにじられる様子など、新鮮な帯久だった。また、それまでの緊張感を緩和するような、お白州の場面に行く前の遠山の金さんのパロディがもうノリノリで。場内爆笑。獄門打ち首になる罪人の名前が「駿河屋 学(するがや まなぶ)」というところで思わず手を叩いて喜んでしまった。

突き抜けた明るさと、逆に笑いを抑えた演出、傾向の違ったトリのネタを楽しめた二日間だった。