万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

昭和元禄落語心中、第3話に登場する演目は上方ではどんな具合か、あくまで私の知る範囲で

昭和元禄落語心中」第3話見ました。今回は戦中編。1話、2話と比べて落語のシーンは少なめ。これは実際に落語を演じる場や機会が少なくなっている作中と対応させているのでしょう。不承不承足を踏み入れた落語の世界に菊比古さんがどっぷりはまっていく、派手ではないですがとても重要な回ですね。ラストシーンでいよいよトリックスターたるみよ吉さんの登場。「長ぇ夜になりそうだ……」から始まった過去の回想話なのに「続きはまた明晩」で締めてしまったのは、まぁご愛敬で(笑)。
「落語の歴史」の側面が強調された第3話でしたが、「昭和元禄落語心中」は落語が実際にたどったものとは違う歴史を展開していく、歴史ifモノでもあったりします。「はなし塚」含めて、ここまではほぼ正史通り、さてここから先はお楽しみ。
で、白状しますが、演目名がわからないのが3つもありました。疎開先で菊比古さんが1人稽古している話と、終戦後帰京した菊比古さんがお座敷で披露している2席。いや、ちゃうねん。おっちゃん、落語ファン歴が浅い上に普段上方ばっかり聞いているもんやさかい、江戸落語イントロクイズは苦手やねん……


というわけで第3話で大きく扱われた演目は「黄金餅」と「あくび指南」のふたつでした。


七代目立川談志 - 黄金餅

黄金餅」は東京の話で、上方では桂文太さんが「よもぎ餅」の演題で高座にかけていらっしゃるのしか私は聞いたことがありません。検索して調べたところ、桂文我さんも「はらわた餅」の演題でやってらっしゃる様子。しかし「はらわた餅」とは、これまたえぐいタイトルですな(笑)。




桂南光 「あくびの稽古」

「あくび指南」、メジャーなタイトルなので上方でも演じられているようで案外演じられていない話。米朝師匠や枝雀さんも手がけている話ですから、もっと頻繁に遭遇しても良さそうなものなんですが、案外そうでもないのです。しかしその割に「現在の関西ではマイナー」なイメージがないのは、ビッグネームの桂南光さんが手がけてらっしゃるからでしょうか。「あくび指南」もしくは「あくびの稽古」の演題でやってらっしゃいます。他にも桂九雀さん、林家花丸さんで聞いたことあり。
しかしあれだ、持ちネタの多い方の名前がずらりと並ぶなぁ(笑)。また、江戸の落語を上方に移植するとなると、やはり同じ名前が何回も挙がってきちゃいますね。いや、それだけ桂文太桂文我桂九雀の御三方がチートなんですよ(笑)。


追記:Twitterで、南光さんも「黄金餅」を手がけてらっしゃると教えていただきました。ありがとうございます!