万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」は、駄目な男でありズルい女である

観て来ましたよ、新しいエヴァンゲリオン
私の世代は、エヴァンゲリオンに期待なんかしてはいけないということを学習したはずなのに。
見終わってみると、ついつい期待してしまう。ああ、なんて馬鹿なんだろう。きっとまた裏切られるに違いないと頭ではわかっているのにね。


もう二度と会わないって決めたはずなのに電話が着たらついつい出てしまうし、会ったら別れるって言うつもりだったのに、泣きそうな顔を見たり優しくされたり抱きしめられたりすると、そんなこと言えなくなってしまうのだよ。うん。


またどうせ駄目になるんだって思っているのに、ついつい以前とは違うところを探してしまって、きっと改心したんだ、生まれ変わったんだ、またやり直せるんだと思い込もうとしてしまう。
それは例えば、第三新東京市や、地形に潜んだ武装のリファインされたかっこよさであったり、さらに違和感を増しさらにかっこよくなった使徒であったり、本編でも屈指のエピソードであるヤシマ作戦がさらに大規模感を増し、さらに人間くさくなっていたり……
いや、駄目だ駄目だ。サヨナラしようって決めてきたんだから。
……ミサトさん、制服の時も髪を後ろで束ねてる。仕事中はいつもロングだったのにな……


もしかしたら、本当に生まれ変わったんだろうか。またやり直そうとしてるんだろうか。
確かに昔と比べて、ちょっと変わった気がする。
いや、昔よりもっとかっこよくなってるとは思うけど、そういうことじゃなくて。
ふと漏らす言葉が違っていたり、嫌なことがあると行く場所が前と違っていたり、前はあんなところで友達のことなんて思い出すような人じゃなかったし、ビールの銘柄だってエビス一筋だったし、なにより、あんなに必死に前を向いて歩くのは初めて見たよ*1


結局、サヨナラは言えなかった。
そして、別れ際、あなたにあの人の影が重なって見えた気がした。
前はそんなこと全然なかったのに。
そのことが本当に変わったかもしれないという期待を大きくさせる。
それなのに、いや、それだからこそかもしれない、不安もまた大きくなってしまう。
きっとまた会いに出かけてしまうんだろうな。
駄目な私。




いい加減気持ち悪くなってきたので、普通の文体に戻しますがね。
いや、期待しちゃだめだろうなと思うんだけどさ。
登場人物の重み付けとか、心理描写とか動機付けとかが、結構重要な部分で変わっている気がするわけですよ。
そこで、「これはもしかしてリメイクじゃなくて、新解釈を行おうとしているのかもしれない」という淡いが根強い期待を抱いてしまうわけです。ありもしない(かもしれない)気配を読み取ってしまうわけです。
エヴァも、あれはあれでアリだし、結構評価しているんだけど、みんな、リアルタイムで見てたときは「大きな物語」とか「成長物語」とか期待してたでしょ?
いや、でもまたきっと無理だよねぇ。
頭ではまたきっと裏切るんだろうなとか、見事な裏切り方だと良いなとか思ってるんだけどね。
でも、ひょっとして……いやいやいや。

*1:あのシーン、ナウシカを連想してニヤリとしてしまった。そういやあれは庵野氏の手によるものだったわな