二の会のために、トリイホールへ行ってきました。
名前以外に共通点があるんだかないんだかよくわからないお三方ですが、三人とも実力派なので、気にしない。
帰りに少しお酒呑んだので、ご機嫌ですのよ。
座談(米二・染二・鶴二)
桂二乗……短命
笑福亭鶴二……替り目
林家染二……貧乏神
中入
桂米二……胴乱の幸助
まずは、お三方による、ゆるい感じのフリートーク。
・三人の中で一番年配の米二さんが一番機械に強い
・染二さんは若手の頃、酒の席でよく脱いでいた
・米二さんの著書「上方落語十八番でございます」を欲しがる人はもう大阪にはいない
・桂雀喜さんは米朝師匠にもざこばさんにも顔を覚えられていない
etc……
トークが終わって上がった二乗さん。以前も聞いたことのあるまくらがさらにボリュームアップしていました。
で、「短命」なのだけれど、どうも袖の方によく顔を向けているように思えたのが、少し気になってしまいました。
続いて鶴二さん。まくらでおっしゃってましたが、米二さんが弟子の二乗さんの高座を見ていたとのこと。ああ、それで袖によく顔を向けているような印象が残ってしまったのかしら。
いや、二乗さん、基本的に好きですよ。一番印象に残っているのは癪の合薬。
それはそうと、鶴二さん、まくらたっぷり。オープニングトークを受けて、染二さんとの酒の席での思い出。ぼやくような口調で、会場がほぐれた感じ。
そのまま軽快に「替り目」へ。
お次は染二さん。こちらも軽快に「貧乏神」。
愚痴りながら洗濯をしている貧乏神が、頑固な汚れが落ちたのを見てついつい「落ちたー」と満足気に微笑むのが、かわいらしい。
「貧乏神」はもっといろんな人が演じるのを聞いてみたい噺です。十人十色で、様々な愛すべき貧乏神像があるんだろうなぁ。
中入後、トリは米二さん。
「動乱の幸助」は好きなネタで、複数の演者さんの音源持ってますし、生でも何回か見たことありますが、米二さんの高座で聞くのは初めてでした。これがまたボリュームたっぷりでよかったですよーー。
米二さんには、噺が元々持っている魅力をストレートに伝えてくれる方、という印象を抱いています。
今日聞いた高座、私がこれから先いろんな人の「胴乱の幸助」を聞いていく上で、基準にしてしまうかも。
稽古屋の場面で、嫁いじめのセリフを繰り返す場面。繰り返すごとに調子に乗っていく稽古人さんの様子がなんとも印象的で。そうですよね。調子に乗っていくから何度も繰り返すし、何度も繰り返すからこそ胴乱の幸助の耳にもそれが届くわけですものね。聞いていてそこまで意識したのは今日が初めてでした。