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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

ライトノベルもサイバーパンクも似たようなもんです。きっと。/あれ? 運動が巨大化してジャンルになるのか?

書籍 SF ライトノベル

ライトノベルサイバーパンクは似たようなものだと思っていたのだけれど違うのだろうか。誰か私に手取り足取り教えてくれる優しいエロい人はいないだろうか。えーと、24歳から35歳くらいの、女性の方が良いです。


雲上四季 - 極めて個人的なライトノベルの定義とか。たまたま一番最近読んだという理由だけでリンク貼っちゃいますが。


最近、ライトノベルの定義について目にすることが多いので、そのようなことを思ったのだけれども。
私がライトノベルサイバーパンクのどこに共通な要素を見出しているかというと、私がライトノベルをジャンルではなく運動*1、出版界に起こったムーブメントとして捉えていることによる。
サイバーパンクというのがジャンルというよりもムーブメントであったというのは、言われて久しい。


というか、「ライトノベルは良く知っているけど、サイバーパンクってなんじゃ?」という人のほうが多いような気がしてきた。「ビリー・アイドルのことでしょ」というボケも、今となっては通用しにくい時代である*2
簡単にいうと「クローム襲撃」と「ニューロマンサー」と「蝉の女王」と「スキズマトリックス」と「ミラーシェード」と「攻殻機動隊」のことです、はい。


ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)


蝉の女王 (ハヤカワ文庫SF)

蝉の女王 (ハヤカワ文庫SF)


スキズマトリックス (ハヤカワ文庫SF)

スキズマトリックス (ハヤカワ文庫SF)


ミラーシェード―サイバーパンク・アンソロジー (ハヤカワ文庫SF)

ミラーシェード―サイバーパンク・アンソロジー (ハヤカワ文庫SF)


攻殻機動隊 (1)    KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス


サイバーパンク運動の提唱したことを簡単にまとめると、SFにおけるサイエンスってのを復権させようぜってのがひとつ。で、そのサイエンスやらテクノロジーやらってのが一部の特権的なものではなく、もっと日常に入り込んだ、社会に密着した、市井にまみれた様を書いていこうぜ、ってのがひとつ。
当の作家たちは自分たちの作品を「ラディカルハードSF」とか呼んでいたのだが、作家/編集者のガードナー・ドゾワ*3サイバーパンクという言葉を作り出し、それが定着した。
だもんで、その運動に参加した作家による作品群が狭義のサイバーパンク作品と呼ぶことが出来るだろうし*4、姿勢に共感した中で書かれた作品やその姿勢に沿った作品を広義のサイバーパンクと呼ぶことが出来るだろう*5。驚くなかれ、電脳コイルだってサイバーパンクだよ、いやっほう!
話はまだ終わらない。さらに広義のサイバーパンクってのもある。
サイバーパンクというのは様々なガジェット、道具立てを副産物として生み出した。一番有名なのはサイバースペースだけども。
そういったガジェットを積極的に取り込んだ作品、というのも、さらに広い意味でのサイバーパンクといえる*6
つまり、狭義と広義と超広義のサイバーパンク作品というのがある。


で、話はライトノベルに戻る。基本的に門外漢なので粗くなってしまうが、ご容赦願いたい。
私はライトノベルというのを、中高生男子という(当時)ニッチ的であった読者層を積極的に取り込もうという運動としてスタートしたと捉えている。
中高生女子については、ほら、コバルトとかあったわけじゃん。
で、中高生男子については、そりゃあソノラマ文庫とかあったしジュブナイルとかヤングアダルトとか言われる作品だって書かれていたわけだけれども、まだまだどんどん開拓し得る沃野であったのだ、と。まあそんな感じ。
その開拓のための叢書が角川スニーカー文庫であり富士見ファンタジア文庫であり、ちょいと遅れて電撃文庫であったんじゃなかろうか。そういった開拓者たちから刊行された作品を狭義のライトノベルと言うことが出来るだろう。
開拓のために様々な方法がとられた。
その当時人気のあったジャンルを積極的に取り入れたり*7、表紙をコミック的なイラストにしてみたり、アニメやゲームの要素を取り入れたり。そういった手法は運動の副産物として捉えることが出来る。
やがて他にも開拓者がやってきたりする。同じく文庫という体裁で参入してみたり*8、新書という形態でその手法を取り入れてみたり*9、他の分野で実績をあげていたところがその手法を取り入れてみたり*10、作家を起用してみたり*11ライトノベルに取り組んでいた版元もハードカバーに進出してみようとしていたり*12
これらを広義のライトノベルとして捉えることもできるだろう。



で、ここから「両方ともそもそもが運動として云々」とか「運動に付随するものが必ず発生するのだから、狭義と広義のレイヤーの違いが云々」とか続けようとしていたのだけれど、ここまできて「あれ? それを言ったら大体の文芸ジャンルって、そもそもは運動的なものから始まったんじゃない?」とか思ってしまった。あちゃー。
ミステリ史については詳しくないけど、SFに関してはもろにそうだわなぁ。
つーと、運動的なものが巨大化して、やがて内容的なもので区別される「ジャンル」に変容するのか。
てことは、ライトノベルもやがてはジャンル化するの?
うわー、ややこしそうだなぁ……

*1:ライトノベルの場合は運動の提唱者というのがいない/いても見えにくいことから、運動というよりムーブメントといった方が、個人的にはしっくりくる

*2:いやね、ビリー・アイドルって人がサイバーパンクってアルバム出したのよ。昔話。

*3:名付け親、確かドゾワだったよね? エレン・ダトロウだったっけ?

*4:イリアム・ギブスン「ニューロマンサー」、ブルース・スターリング「スキズマトリックス」、ルーディ・ラッカー「ソフトウェア」、マーク・レイドロー「パパの原発」、ルイス・シャイナー「うちすてられし心の都」など

*5:士郎正宗攻殻機動隊」、柾悟郎「ヴィーナス・シティ」、大原まり子「メンタル・フィメール」など

*6:ジョージ・アレック・エフィンジャー「重力が衰えるとき」、ウォルター・ジョン・ウィリアムス「ハード・ワイヤード」他。これについてはもう死ぬほどたくさんある

*7:よくは知らないけど、昔ファンタジー、今は学園モノっすか?

*8:集英社スーパーダッシュ文庫とかMF文庫とかファミ通文庫とかGA文庫とかガガガ文庫とか。まあ、これは広義のラノベってより狭義のラノベ扱いでしょうが

*9:西尾維新とかメフィスト賞周辺とか

*10:ハヤカワ文庫のリアルフィクションとか。最近普通の文庫でもイラストがラノベっぽいの、増えてきましたな

*11:イメージとしては創元推理文庫が米沢穂信や谷原秋桜子作品を刊行したり、桜庭一樹橋本紡がハードカバー出してみたり

*12:有川浩図書館戦争」とか