日曜日、動楽亭へ。行きやすいもので、今月は動楽亭ばかり行っている。この会自体は初めて。ほぼ大入満員。
米團治研鑽の会
米輝…狸の賽
米團治…らくだ
中入
團治郎…七段目
米團治…厄払い
米團治さんのお弟子さん3人は、最近いつ見ても外さない気がする。以前は米輝さんが特に面白いと思っていたけれど、今は3人とも面白い。子狸の可愛らしさを際立たせた「狸の賽」も、歌舞伎の真似の完成度で見せるのではなくきちんと「歌舞伎の真似をする滑稽な若旦那」を見せてくれる「七段目」も、両方大変に楽しかった。
中トリの大ネタ「らくだ」は、悲哀を滲ませることができたり、色々したくなる話なんだと思うんだけど、その分、聞き手の側の心に影が差すというか、本当に腹の底からは笑えないものであることが多い(いや、それも価値なのだけれど)。しかし今日はシラフの時と酔った後の屑屋の変貌ぶりをことに楽しく強調した高座でとても楽しく、例えば屑屋の口にらくだの抜けた髪が引っかかるシーンも陰惨にならず、酔っ払った屑屋の食い意地がはっているが故のような印象に変えられており、素直に楽しかった。楽しさではこれまで聞いた中で一番の「らくだ」かもしれない。米朝師匠では貫禄ありすぎて出せない、屑屋の弱々しさやお調子者の様子が出せる米團治さんならではの「らくだ」なんじゃないかと思う。
トリは古式ゆかしく「厄払い」。年の瀬のネタでさらりと終演。