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万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

高井研「なぜ生命は生まれたのか」 進化論で笑え!

うふ。
kindle注文しちゃった。3Gの奴。
届くのは12月。ちょっと楽しみだわー。


でね、kindleストアも使ってみようと思って、で、適当に自分の興味で検索して、引っかかってきたのが高井研「生命はなぜ生まれたのか」。



生命の起源を探る、実に真面目な本なのだけれども、ノリがすごい。なんというか、完全にウェブのノリというか。
こんなに笑える進化の本を読んだのは初めて。
まずのっけから、インド洋へ海底の調査へ赴いた体験談。その中で、潜水艇しんかい6500内部において、如何にトイレを我慢することが人間として大切であるかとか、天候や状況の関係で調査に出れない時は日光浴だDVDボックス試聴だとか、完全にどうでもいいことを熱弁したり。
真面目な内容に入ってからもその遊び心はそのままで、論敵のマイケル・ラッセル(先日取り上げたニック・レーンの「生命の跳躍」でも大フィーチャーされてた御仁だ)のことを「ものすごく尊敬していると同時に、はよ引退してくれや」と評したり、きちんとした進化の系統樹で細菌やヒトに交じって「気になる木」が鎮座ましましていたり、メタン生成菌をえこひいきして「崇高なるメタン生成菌」と呼ぶのみならず、系統樹にもその名前で表記したり、と。ここまで笑わせることに情熱を費やした進化読み物というのを私は読んだことがない。
それでいて、語られていること自体は真面目、というか、むしろラディカルで最先端なのである、困ったことに。一番最初に生まれた生命は何か? ではなく、今に連なる最古の生命とはどんなものであったか? という問いの立て方、そこから導かれる、生命はそれ単独ではなくその生命がどのような営みをしているか、すなわちどのようなエネルギーを利用しておりそのエネルギーはどのような循環をしているか(その場の資源を使い切ったらおしまい、なのであったら、使い切った時点でその生命は滅ぶわけである)という視点の強調、どれも説得力があり、目から鱗だ。
こんないい本が去年の1月に出ているとは知らなかった! 進化論と笑いは両立するのである。