万来堂日記3rd(仮)

万来堂日記2nd( http://d.hatena.ne.jp/banraidou/ )の管理人が、せっかく招待されたのだからとなんとなく移行したブログ。

書籍

カーネマン「ファスト&スロー」と伊藤計劃「ハーモニー」が出会ったら

ダニエル・カーネマン「ファスト&スロー」はごく控えめに言って、ドーキンスの「利己的な遺伝子」だとかジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」と同じくらいか、それ以上に広く読まれるべき大変重要な一般向け科学書ですが、まあ、それはそれとして。 …

「電子書籍だけ異常に理想が高いのはなんでだろ」についての思い付き的仮説

久しぶりに落語関係ない電子書籍絡みのエントリを書いたら(こちら)、ないことにブクマが伸びまして。出版社の倒産によって出版権が宙に浮くケースなどをご指摘いただいたわけですけれども、id:asakura-tさんがメタブクマにて次のようにコメントを残されま…

電子書籍とロングテールと後ろ向きな夢とその夢の崩壊

電子書籍には様々な夢がかつて詰まっていたが、その夢の中の一つに「絶版のない豊富なラインナップ」というものがあった。 紙の書籍では入手困難なタイトルでも電子書籍ならば手に入れることが出来る。そんな世の中になるのではないか、と。 それは夢とは違…

新刊書店の予約の話

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20130416#p1 村上春樹の新刊を買うために書店行脚を敢行したけど、買えなかったうえに売り切れ中とかの表示すらないところが多くてびっくりしたよ! 激おこぷんぷ(以下自重) ……と言った感じのリンク先のエントリなんですが…

Amazonさん、kindleのこれって本当に「中古」なんすか?

アマゾンが電子古書を売り出すとき : マガジン航[kɔː]えらい世の中になったもんだ。電子書籍の中古かぁ。 私は言うても素人なので、詳しい方に議論していただきたいのだけれども。 今まで扱われてた「中古」ってのは、有体物。モノだ。 で、本とかCDと…

高井研「なぜ生命は生まれたのか」 進化論で笑え!

うふ。 kindle注文しちゃった。3Gの奴。 届くのは12月。ちょっと楽しみだわー。 でね、kindleストアも使ってみようと思って、で、適当に自分の興味で検索して、引っかかってきたのが高井研「生命はなぜ生まれたのか」。 生命の起源を探る、実に真面目な本…

ニック・レーンを読もうぜ/細胞内から40億年を眺める

さて、結構時間がかかってしまったのだけれど、今日、「ミトコンドリアが進化を決めた」を読み終わりまして、これで邦訳されているニック・レーンの本は三冊とも読んだことになります。 「生と死の自然史」「ミトコンドリアが進化を決めた」が各論で、「生命…

92年〜97年にかけてつけていた読書ノートが出てきたので、その中で「A+」の最高評価をつけていた作品を羅列する

引き出しの奥から、92年から97年にかけてつけていた読書ノートが出てきた。 高校2年生〜大学4年生の期間である。 流し読みしてみた。 なんだ、この理屈っぽい、それでいて何が言いたいのかさっぱりわからない頭でっかちのクソガキは。 クソ生意気になことに…

非BL読者の私は「昭和元禄 落語心中」をどのように楽しんだか/ぼくのかんがえたちょうはなしか

私ことHN旅烏、36歳男性独身異性愛者非童貞は、「昭和元禄 落語心中」をかなり楽しく読了したクチであります。 「このマンガがすごい! 2012」のオンナ編で2位にランクインしたことで世間の耳目を集めているこの作品、作者の雲田はるこさんはBL畑の…

今年読んだ本をなんとなく20タイトル挙げてみる

なんかね、読書メーターでそんな企画があったんで、自分のブログでも取り上げてみようかと。「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」(レベッカ・スクルート/講談社) ある黒人女性の細胞がどのような数奇な運命を辿ったかの物語であると…

「錯覚の科学」は全国民必読の好著ですよ/「お前も、お前も、馬鹿じゃないのか。冷静なのは俺だけだな」

乗り遅れた感があるのですが、「錯覚の科学」を読了しました。 自分はデマに踊らされていないと思っている人は、特に読むべきです。読まないだろうけど。 デマに騙されない人間なんていないし、ホモが嫌いな女子なんていないし、飛影はそんなこと言わないし…

グールド最後のエッセイ集「ぼくは上陸している」/下巻310ページ/それはあなたのことじゃないか!

20世紀後半を代表する進化生物学者であるスティーブン・ジェイ・グールド最後のエッセイ集「ぼくは上陸している」がようやくのことで翻訳されたので、喜び勇んで読了しました。 グールドは最後のエッセイ集でも絶好調です。既に病魔に侵されていたなどとはと…

「不死細胞ヒーラ」を読みました/デボラが母に会いに行くということ

「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生」を読了しました。 タイトルにもなっているHeLa(ヒーラ)細胞とは、1951年から現代にいたるまで世界各地で培養され続けているヒトの癌細胞です。医学の進歩に多大なる貢献をしています。ポリオ…

「天冥の標4 機械じかけの子息たち」はものすごく真正面からセックス(※体位の話ではありません)

ものすごい傑作です。個人的にはオールタイムベスト級ですわ。 つまり(個人的には、ですが)「スキズマトリックス」「暗闇のスキャナー」「スローターハウス5」「接続された女」「ハーモニー」「グラン・ヴァカンス」「Self-Reference ENGINE」「あなたの…

ラファティ「翼の贈りもの」読んだけど…

Amazon.co.jp ウィジェット ラファティの短編集「翼の贈りもの」を読んだんですけどね…… なるべく、楽しめなかった本の感想は書かないようにしているんですけどね、角が立つし…… でも、これはいかんでしょう。 みなさん。ラファティはこんな辛気臭い作家じゃ…

「偉大な記憶力の物語」の感想/記憶、現実ってなんだ。振り向かないことさ。

先日、久しぶりに新潟に帰省したのですが、新潟へ向かう列車の中で「偉大な記憶力の物語」を読み終えました。 これはものすごい本ですね。全く素晴らしい。 「事実は小説より奇なり」という言葉には手垢がついて久しいですが、奇であるにも程があるだろ、と…

「こっちへお入り」で貴様の涙腺など破壊してくれるわ

最近落語に夢中になりつつありまして。 平安寿子の「こっちへお入り」を購入したのも、寄席の帰りに本屋に寄ったら目に入ったからです。落語ミステリは買ったことも読んだこともありましたけれど、33歳の独身OLが主役の落語を題材にした小説となりますと…

「華竜の宮」は風の谷の水域沈没第2部じゃなかろうか(いい意味で)

「華竜の宮」少し前に読了しました。 かなりおもしろいです。夢中になりました。傑作といっていいんじゃなかろうかと思います。 ここ数年、日本のSFは元気だと思うのですけれど、話題になった作品は(「天冥の標」を大いなる例外としますと*1)とんがった…

Amazon送料原則無料化とサービスの行き届いた小さな本屋と「でもお高いんでしょう?」

本当なら時間かけて書きたい話題なんですが、なんかもう忙しくてですね。勢いに任せて適当に書き飛ばしてしまいますよ、と。Amazonが配送料を基本無料にするそうでございまして。まあ、料金が発生する場合もあるみたいなんですが、基本は無料、と。 インパク…

俺みたいな文系素人が進化論を面白がるための約20冊

私はどこからどう見ても文系でサイエンス的な素養は全くなく、数学大嫌いな人間なんですが、進化論についての一般向けの本を読むのは大好きでして。 そんな私が面白がってきた本を並べてみたら、私みたいに面白がりたい人へのブックガイドにならないかな、な…

「天冥の標3 アウレーリア一統」の間違ったあらすじ

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/07/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 108回この商品を含むブログ (63件) を見るというわけで、「男の娘は戦艦館長!? 3 天冥の標」を読了しました…

「虐殺器官」の次にはどんな本を読んだらいいだろう?

夏になるとなぜか出版社や書評サイトが活発化するわけでして、色んな人が色んな切り口でオススメ本を推薦してくれます。 この「虐殺器官」は話題作ですし、やたら面白いですので、オススメの本として上げる人も少なくないのではないかと思います。 このエン…

新古書店が電子書籍に手を出したが、ブックオフではなかったぜ

たまたまこのプレスリリースをみつけ、思わずニヤニヤしてしまった。株式会社テイツーのプレスリリースなんだけども。 「漫画アプリ大賞」の創設について(pdfにつきご注意)要は、テイツーという会社が、アスペクトとかと組んで漫画の賞を作りましたよ、と…

「生命進化の物語」がとても面白い本だったのですよ。

生命進化の物語作者: リチャードサウスウッド,Richard Southwood,垂水雄二出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2007/02メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (6件) を見る リチャード・サウスウッドの「生命進化の物語」を読みました。 最初の…

電子書籍・電子積読・20年前のファイル・電子貸本や電子図書館

昨日からつらつら考えていることがあって、まだまとまっていないのですが、書き出してみようかと思います。まず、我が家には購入したものの未読のまま積んである「積読」という奴が、かなりあります。多分1000冊以上。 多分、実家にはもっとあります。 良い…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。じゃあ結局どんなの読めるんだ編

というわけで、hon.jpで星雲賞受賞長編を検索してみて、暗澹たる思いになっているところに、id:copyrightさんから「いや、電子文庫パブリであるぜ、ベイビー」という趣旨のご指摘が。 なんでhon.jpを使って検索したかと言うと、ケータイ(いわゆるガラケーっ…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞海外SF長編部門編。

前のエントリで、星雲賞を受賞した日本のSF小説がどのくらい電子書籍化されているのか、極々簡単に調べてみたわけですけれども、同じことを海外SF長編でもやってみよう、と、そういった次第でございます。 とはいえ、まあ、予想どおりでございますな。 受賞…

あの名作SFはどのくらい電子書籍化されているのかなんて調べなければよかった。星雲賞日本SF長編部門編。

なんか、世は電子書籍元年だか電子書籍リーダー元年だかで大騒ぎだそうでございまして。 まあ、今まで購入した紙の書籍を死ぬまでに全部読了出来るかといいますと、そんなん無理に決まっているので、縁がないといえば縁がない話なんでございますが。 それは…

TSUTAYAが古本に参入ですか。怖い怖い。

TSUTAYAでおなじみCCCがイーブックオフを展開するネットオフと提携して古本に本格参入するそうでございまして。 ネットオフ、CCCと資本・業務提携 CCCは2010年度中にTSUTAYAで中古本事業をフランチャイズ展開 ニュースリリース|CCC カルチュア・コンビニエ…

多様化する電子書籍、というか、多様化してほしい電子書籍

ヨタ話みたいなもんなんですが、少し前から思っていたことがあって、備忘録がわりに書きつけておこうかと思いましてね。 「電子書籍」と聞いて連想するのが今のところなんなのかと言うと、まあぶっちゃけ、テキストが詰まったファイルじゃないすか。青空文庫…